東京都は2016年9月29日、豊洲市場(江東区)で行っている地下水のモニタリング調査で、青果棟がある「5街区」の3か所で環境基準を上回る有害物質が検出されたと発表した。
「盛り土」がされていなかった結果生まれた「たまり水」は、雨水ではなく地下水が由来だと判断されていたが、これまでの「たまり水」・地下水の調査で検出されたベンゼンやヒ素は環境基準を下回っていた。地下水から環境基準を上回る有害物質が検出されたのは初めてで、「盛り土」問題に波及するのは確実だ。
過去7回の地下水調査では環境基準下回っていた
有害物質が検出されたのは、全201か所の観測地点のうち3か所。ベンゼンの環境基準は1リットル当たり0.01ミリグラムだが、計2か所で0.014ミリグラム、0.011ミリグラムが検出された。ヒ素の環境基準も1リットル当たり0.01ミリグラムで、1か所で0.019ミリグラムが検出された。今回出た結果は、全部で9回予定されている地下水調査のうち8回目の速報値で、調査対象の地下水は16年8~9月に採取された。これまでの7回の調査で検出された有害物質は、いずれも環境基準を下回っていた。最後の9回目の調査では、11月18日以降に地下水を採取し、結果は17年1月に公表される。
「たまり水」をめぐっては、「専門家会議」メンバーが9月24日に地下空洞を視察後に会見し、雨水ではなく地下水だと断定したばかり。この「たまり水」から検出されたベンゼンやヒ素は、いずれも環境基準を下回っていた。
都では今回、
「今後、土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会、専門家会議及び市場問題プロジェクトチームにおける検証を踏まえて、適切に対応してまいります」
とコメントしている。