水玉やかぼちゃをモチーフにした作品で知られる前衛芸術家の草間彌生さんが、2016年9月28日、東京都港区の国立新美術館の報道陣の前に現れ、2017年2月22日から5月22日まで同美術館で開催される個展「草間彌生 わが永遠の魂」について語った。日本における個展の開催は、2012年から2014年にかけ、国内10都市で行われた「永遠の永遠の永遠」以来3年ぶりとなる。
現在87歳の草間さんは車いすで登壇し、途中涙ぐみながらも開催への感謝を述べ、これまでの人生を振り返りながら自らの芸術について語った。
3年ぶりの日本の個展発表会に車いすで登場
車いすで登場した草間さんは、4分ほどのスピーチの中で、自らの人生や芸術などについて、
「私の人生は、芸術によって磨かれました」
「今では車いすを使うことになるほど、昼も夜も芸術に明け暮れておりました」
と、時折言葉を詰まらせながら語った。
また、個展の開催について、美術館や関係者への感謝を述べつつ、
「私が死んだ後も、私の創造への意欲と、芸術への希望と、私の情熱を感じていただければ、それに勝る喜びはありません」
と涙ながらにコメントした。
1929年に生まれた草間さんは、40年代より芸術家として活動を始めた。50年代にニューヨークに渡り、絵画だけでなく彫刻や小説など、様々な芸術分野で活躍。水玉やかぼちゃなどのモチーフと、独特の色彩感覚で人気を集めている。
2014年、イギリスアート・ニュースペーパー紙で「世界で最も人気のあるアーティスト」に、2016年にはアメリカの「タイム」誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出されるなど、海外でも高く評価されており、海外での個展も積極的に開催している。
展覧会は2部形式となっており、第1部「21世紀の草間彌生」では、「わが永遠の魂」のシリーズを中心とした作品が展示される。このシリーズは草間さんが2009年から手がけているシリーズで、総数は500点以上に及ぶ膨大なもの。今回の展覧会ではその中から日本初公開の作品を含む130点以上が公開される。
第2部では活動初期から1990年代までの作品が展示される。