アムネスティ「予定通り企画を実施することが困難」
「表現の自由を考える」などとうたったイベントが中止されることになった理由とは、いったい何なのか。アムネスティ日本の活動マネージャーは28日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「ろくでなし子氏の発言や主義主張に異議を唱える方々からのご意見が数多く寄せられたため、当初の予定通り企画を実施することが困難だと考え、イベントを中止いたしました」
と話す。具体的にどのような意見が寄せられたかについては「全てを把握しているわけではない」というが、「なかには、彼女を『レイシスト』だと批判する内容もあった」と説明する。その上で、政治的スタンスをめぐる意見が会場でも出る可能性があることなどから、
「『表現の自由と人権』というテーマが話し合える環境ではなくなったと判断しました」
とも付け加えていた。
実際、アムネスティ日本のツイッターやフェイスブックには、「ヘイトスピーチに加担してますよ」「どんな人選だよ」といった書き込みが数多く寄せられていた。そのほか、電話やメールでの問い合わせも相次いでいたという。
ろくでなし子氏がこうした批判を浴びる背景には、彼女が15年11月に「レイシストをしばき隊」(現・「C.R.A.C.」)のメンバーを揶揄するツイートをしたことで起きた騒動がある。このとき、ろくでなし子氏は「しばき隊」関係者を中心に、ネット上での誹謗中傷を中心とする「徹底攻撃」を受けており、それ以降、一部のネットユーザーから「レイシスト」との批判を集める状態になっていた。
今回のイベント出演に関する批判的な書き込みについては、ろくでなし子氏も把握しているようで、27日の質問状の中では「差別的な発言やそう思われるような発言すら一切したことがない」と断言し、自身に対する「レイシスト」との指摘を否定している。
この点については、アムネスティ日本のマネージャーも「ろくでなし子氏のことをレイシストだと考えているわけではない」と話す。ただ、ろくでなし子氏がツイッターなどで「中止の理由を説明されていない」と主張していることについては、「イベント中止のご連絡とともに、経緯を説明しています」と反論。「本人が(説明に)納得していないということでしょう」としている。
(30日12時15分追記)アムネスティ日本は29日、「ろくでなし子さまご本人を含め、開催を要望する声が多く寄せられましたため、予定通り開催させていただくことになりました」と公式サイト上で発表。あわせて、「一方的な中止の決定などにより関係者の皆さまにご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。