10%含む液体を飲むと、25~250ミリリットルで致死量
逆性とは、洗浄作用が強い陰イオンを持つ通常のせっけんとは逆の陽イオンを持つことを指す。陽イオンは殺菌作用が強く、消毒液の主成分として使われている。
日本中毒情報センターのホームページを見ると、陽イオン系界面活性剤の説明があり、容器を振ったりすると強く泡立ち、誤飲するとまず嘔吐や下痢などの中毒症状が出るとあった。その成分を10%含む液体を飲むと、25~250ミリリットルで致死量になるそうだ。
前出の廣田耕志教授は、界面活性剤を点滴に入れることについてこう話す。
「一般的に考えると、飲むよりも危険と言えます。飲んで吐くようなことができないからです。体内に取り込まれれば、毒性が強いので、細胞の膜を溶かしてしまいます。さらに、強い変性がある界面活性剤なら、タンパク質と相互作用してその機能を失わせることになります。最悪の場合は、死に至ることも十分ありえるでしょう」