経産省自動車課長が規制緩和に言及
全国オートバイ協同組合連合会や日本自動車工業会などが、バイク免許の規制緩和を求める背景には、若者の「バイク離れ」がある。ここ数年、新車購入者の平均年齢が50歳を超えているとされ、バイク免許取得の簡便化やバイクがもつ危険なイメージを払しょくすることで、ライダーの若返りを目指すとともに売り上げアップを図る。
なかでも、125ccクラスのバイクはここ数年の売れ筋で、「バイクメーカーなども免許取得の簡便化を要望しています」(全国オートバイ協同組合連合会)という。
そうしたなか、経済産業省自動車課の川野大志課長は2016年9月17日に神戸市で開かれた「BIKE LOVE FORUM」で、「そう簡単ではないのかもしれないが、排気量125ccの免許取得を今までより簡単にするというような取り組みにチャレンジしてみたい」と話し、バイク市場を活性化する規制緩和策として、125cc(原付2種)の免許取得の簡便化について意欲をみせた。ただ、現行の50ccの原付バイクのように、 普通免許で乗れるようになるかどうかは不明。経産省は「免許取得に必要な講習をなくしたり、その質を落とすようなことはありません。安全を重視し、確保したうえで(免許を)取りやすくすることを検討しています」と説明する。
この発言は、バイク業界の要望を後押しするものといえそうで、全国オートバイ協同組合連合会は「(自動二輪免許の規制緩和について)初めて言及されたもので、ありがたいと思っています」と話す。
とはいえ、インターネットには賛否両論が噴出。
「昔の原付が自転車にエンジン載っけたようなもんだから、その当時の規制の名残が未だに残ってるだけなんだよ。とっとと見直せばいいのに遅いくらいでしょ」
「親のスーパーカブ乗りたいのに教習所に10万も出せねえだろ」
などと、「規制緩和」に賛成の声がみられる半面、
「ただでさえ二輪は事故が怖いんだから、簡便化はやばくねぇか?」
「すり抜けバカスク(乱暴な運転をするスクーターのこと)が増えるから、絶対反対!」
「これ、バイクメーカーが売れないから規制緩和しろと言ってるんだろ。そもそも、ほしいバイクもつくらないうえ、値段だけ高くなって売れるはずがない」
と、「事故が増える」ことを理由に反対する声も少なくない。
日本自動車工業会によると、125ccバイク(原付2種)の出荷台数は、2014年は3万1529台で前年比13.9%と大きく増えたものの、15年には3万886台と2.0%減った。16年1~6月は1万4537台で、前年同期比4.4%減だった。
全国オートバイ協同組合連合会は、免許の簡便化には「(道路交通法などの)法改正が必要なことや省庁間の調整が必要なので、なお時間がかかるのでないでしょうか」とみている。少なくとも1年程度で決着するようなことはないようだ。