「DNAを修復する音叉」「頭蓋骨を緩める頭蓋骨矯正」――。一瞬たじろいでしまう、こんな「美容・健康法」が女性雑誌「an・an」(マガジンハウス)最新号で紹介されている。
「カラダにいいもの大賞」というテーマで商品を特集したものだが、発売直後からネットで「なんの雑誌買ったんだっけ?」との声が相次いだ。科学的・医療的な裏付けなどについて、同誌に聞いた。
528Hzの周波数が...
話題を集めているのは、2016年9月21日発売(9月28日号)の同誌。特集テーマは「カラダにいいもの大賞2016」で、編集部注目の美容法や健康グッズが紹介されている。
前半部分では、編集部員が実際に購入した美容・健康グッズが取り上げられているが、後半部分では「健康トピックス調査報告書」と題し、美容や健康にまつわる「マニアックな話」が取り上げられている。
その後半部分では、頭蓋骨を緩めて「脳と脳脊髄の機能を向上させる」という「クラニオセイラクル(頭蓋骨矯正)」、「首がカクカクするほどの勢いで(息を)吸うと、頭がシャキッと冴え、戦闘態勢になる」という「吸う吸う呼吸」など、耳慣れない美容・健康法が目白押しだ。
中でも「DNAを修復する周波数を出す音叉」については、「スピリチュアルな世界では常識?」として紹介されている。記事によると、その音叉は「壊れたDNAを修復する」528Hzの周波数を出すという。
肝心の修復効果には触れていないが、記事内では、同誌編集部内で試すと「音に共鳴すると、全身が揺らぐのを実感する」と記されている。
こうした「斬新」な商品紹介に、同号の発売直後からツイッターでは
「ギャグなのか!と思う」
「なんの雑誌買ったんだっけ?」
といった声が寄せられるようになった。プロフィール欄で「小児科医」を名乗るツイッターアカウントも25日、「頭蓋骨矯正」について「生まれてすぐは癒合していない頭蓋骨は生後1歳半から2歳にかけて完全にくっつくので、大人になってから今更並べ替えることなんかできない」と指摘している。
「すべて編集記事です」
同誌の長居広副編集長はJ-CASTニュースの取材に対し、
「『健康トピックス調査報告書』は、今巷で話題の健康トピックスについて取材、レポートしたものです。企画内で紹介した商品は取材先に確認の上、記事に関連する商品として紹介しています。商品の効果・効能につきましては、取材先から提供されたエビデンスのあるものに関しては、それを明示しました。話題ではあるものの医療的な根拠が明確ではないものに関しては、記事内の文章でも断定的な表現を避けました」
と説明している。
また、特集ページについては、
「すべて編集記事になります」
との回答だった。