一気に冷めた稀勢の里「横綱待望論」 豪栄道フィーバーの陰に

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「ふんどしを締め直して」挑むしかない

   稀勢の里は13勝、13勝、12勝と安定した成績で今場所を迎えた。休場の横綱・白鵬から「チャンスを生かしてほしい」との言葉が出るなど、これ以上ない状況にあった。しかし、初日と3日目に負けるふがいなさ。それでも協会は優勝さえすれば、と勝ち数を条件にしなかった。

   ただ、ベストコンディションではなかったようだ。右足首を痛めており、夏巡業の復帰は10日ほど遅れた。「不安はない」と言って場所に臨んだものの、調整不足は否めなかった。それが序盤の2敗となって表れたといえる。解消されない強さともろさの同居である。

   現在4大関である。気がついてみたら、優勝していないのは稀勢の里だけになった。来場所は豪栄道が横綱を目指す。白鵬が復帰するだろうから、稀勢の里はそれこそ「ふんどしを締め直して」挑むしかない。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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