東京の地価の上昇は頭打ちとの指摘
銀座をはじめとする東京都心には、世界的な金融緩和で、海外のファンドの資金流入も目だっており、市場では投資マネーの過熱感を指摘する声もある。しかし、ブランド力の高い銀座の上昇は別格で、東京の地価の上昇は頭打ちとの指摘もある。
今回、大阪や名古屋のほか、札幌、仙台、広島、福岡の地価上昇が目立ったのは、「東京の不動産価格が上昇しすぎた結果、不動産投資で得られる利回りが低下したため、投資マネーが東京以外の大都市に向かっているから」(不動産関係者)という。投資家から集めた資金を不動産で運用する「不動産投資信託(J-REIT)」も、物件の取得が東京都心から地方の拠点都市にシフトしている。
つまり、東京の地価の上昇は頭打ちとなり、これ以上儲からないと判断した投資家が、これから地価が上昇するであろう地方の大都市に向かっているのだという。地方の大都市で大規模な再開発が進むのも、投資マネーが東京から地方の大都市に流れていることが要因のようだ。
もっとも、不動産の専門家の間には「3大都市圏などで地価を上昇させたアベノミクス効果は、そろそろ頭打ちになるのではないか」と、懐疑的な声もある。日銀が新たな金融緩和に乗り出す中、投資マネーはどこに向かうのか。今後の地価に与える影響が注目される。