頑固な便秘に鍼(はり)治療が効く 西洋医学が中国の病院と協力し立証

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   鍼灸(しんきゅう)療法の世界では昔から鍼(はり)治療は便秘に効くとされてきたが、西洋医学の立場からも鍼が重症の便秘に効果があるとする研究がまとまった。

   カナダ・カルガリー大学医学部の研究チームが、米国内科学会機関誌「Annals of Internal Medicine」(電子版)の2016年9月12日号に発表した。

  • 鍼(はり)が頑固な便秘に効く
    鍼(はり)が頑固な便秘に効く
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慢性的で重傷な便秘患者の4割が治った

   鍼灸や漢方などの東洋医学に科学的な根拠が薄いとよくいわれるのは、治療に効果があるかどうかを立証する際、治療を実施したグループと実施しなかったグループ(対照群)を比較する方法(臨床試験)を伝統的に行なわないからだ。たとえば、10人の便秘患者がおり、「鍼治療で4人がよくなった」と主張しても、それが鍼による効果なのか、ほかの要因による効果なのか、対照群がいないと確認できない。

   今回、研究チームは慢性的で重症の「難治性便秘」に、現代式の鍼治療の「電気鍼」に効果があるかを調べるため、中国の15カ所の病院の協力を得た。電気鍼治療とは、機器を取り付けた鍼を皮膚の下に挿入し、電気パルスを体内に送るもので、日本でも増えている。

   1075人の難治性便秘患者を無作為に2つのグループに分け、半数に腹壁の内側の筋肉層に鍼を刺す正しい治療を、残りの半数に効果がないと考えられる場所に鍼を刺す「ニセ治療」を行なった。鍼師が両グループに1回30分の「正しい治療」「ニセ治療」を8週間にわたり計28回行なった。

   その結果、正しい治療を受けたグループでは31%の便秘が治り、ニセ治療グループでは便秘が治ったのは12%だった。この効果はさらに続き、12週間後に追跡調査すると、正しい治療グループでは便秘が治った人は38%に増えていた(ニセ治療グループでは14%)。対照群に比べ、治った人が約2.6~2.7倍多いわけで、統計学的に効果があることが立証された。

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