原因不明の足のしびれで階段を踏み外す恐怖
次は足の病気のセルフチェックだ。足の内側のくるぶしとかかとの間を手の指で押し、指先や足の裏にしびれを感じたら「足根管症候群」の可能性がある。
くるぶしにある、神経が通るトンネル状の器官「足根管」が、加齢による骨の変形や足のむくみなどが原因でせまくなり、足の裏につながる神経が圧迫されて起こる病気だ。
岡田昌一さん(78)は、長年この病気に悩まされていた。
足に違和感を覚えたのは約7年前。散歩中、左足のつまさきにしびれを感じた。2週間ほどはり治療に通ったが、しびれはだんだん悪化し、右足にも同様の症状が出始めた。
病院に行くも、原因や病名がわからず、4年かけて10以上の病院を転々としたという。
症状はどんどんひどくなった。階段を降りる時は手すりにつかまり一段一段ゆっくり降りなければ踏み外してしまう。歩いていなくても足がしびれ、眠れない夜も多かった。
神奈川県立足柄上病院がしびれの症状に詳しいとテレビで知り、そこにかかってようやく正しい診断を受けた。足根管を拡げる手術を行い、現在は日常生活のうえで支障はない。
足柄上病院脳神経外科・野地雅人部長によると、10年ほど前まではあまり知られた病気ではなかったが、今は神経学の研究が進み、正しく診断できる環境になってきているという。