腱鞘炎との混同に注意、冷やすと悪化する病気
2つ目のセルフチェックは、
(1)手のひらの指の付け根を反対の手の親指で押し、押すと同時に指を曲げる。
(2)同じ作業を全ての指で、両手行う。
痛みがある、指がカクカク動く場合は、「ばね指」という腱鞘炎の可能性がある。
ばね指とは、指にある腱と腱鞘の間で炎症が起こった状態を指す。閉じていた指を伸ばすと、カクンとはねるように動くのが特徴だ。
放置しておくと関節が固まり、指先が動かなくなる危険がある。
埼玉成恵会病院の医師、福本恵三氏が勧める腱鞘炎予防法は以下の2つだ。
(1)手、指を使いすぎないようにする。作業の合間に10分程度の休憩を入れるなど、休ませる工夫をして。
(2)手、指に違和感がある場合は、作業が終わった後にすぐ冷やす。
腱鞘炎はSE、美容師、料理人など、同じような動作を繰り返す人がかかりやすい。当てはまる人は要注意だ。
3つ目は、親指の付け根部分を反対の親指で押し、反対の手も同じようにする。痛みを感じると「母指CM関節症」のおそれがある。
CM関節とは、親指から小指にかけて手首に走っている関節だ。最もよく動く親指のCM関節は負担がかかり、変形しやすい。
ビンのフタを開ける時に親指の付け根が痛む特徴がある病気で、手首の腱鞘炎と混同しやすいが、腱鞘炎と違って冷やすと痛みが悪化してしまう。気になる人は病院で適切な診断、処置を受けよう。
最後のチェックは、両手の甲を胸の前で30秒間合わせる。指先がしびれてくると「手根管症候群」かもしれない。
手根管とは、手首の中の骨とじん帯に囲まれ、神経が通っているトンネル状の器官だ。手首付近の炎症で手根管がせまくなると、神経が圧迫されて手がしびれる。
予防法は、親指と小指の腹をくっつけるように20回動かす。これを1日朝と晩に2回行うとよい。