電通は2016年9月23日、過去に国内で行ったデジタル広告サービスに不適切な対応があったと発表した。同日付の日本経済新聞が、トヨタ自動車などを広告主とするインターネットでの広告掲載で過去に不適切な取引をしていたことが明らかになった、と報じていた。トヨタ自動車などの広告主には報告済みという。
電通によると、「デジタル広告の不適切対応」については、すでに社内調査チームを設けて、請求データなど実態の把握と不適切業務が発生した原因の解明に必要とされるデータが保存されている2012年11月以降のデジタル広告を対象に、原因解明と実態把握を進めている。
その結果、9月22日時点までに確認された不適切業務の可能性がある案件は、疑義のある作業案件が633件、対象となる広告主数が111社となっており、不適切な部分に相当する金額は概算で約2億3000万円(未掲載請求の14件を含む)にのぼる。
電通では、「不適切業務」の内容について
「故意または人為的なミスに基づく広告掲載期間のずれ、未掲出、運用状況や実績に関する虚偽の報告」
「実態とは異なる請求書が作成されて、過剰な請求が行われる結果となった事実」
と説明している。