LINEが運営するニュースサイト「BLOGOS(ブロゴス)」は2016年9月22日、元フジテレビアナウンサー・長谷川豊さん(41)の書いた19日のブログ記事を転載したことについて、お詫び文を掲載した。
長谷川さんは記事の中で、日本における人工透析患者の多くは「自業自得」の生活習慣が発病の原因だと主張。タイトルには「全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」とも記しており、ネット上で批判が殺到していた。
「不適切な表現が含まれている」
BLOGOSはお詫び文で「当該記事につきましては、掲載段階でのチェック体制の不備から、編集部内で検討、筆者との協議などが十全に行われないまま掲載(転載)に至ってしまいました」と説明した。
編集部としては、長谷川氏による「『国民健康保険制度』『年金制度』への問題提起そのものについては今後議論されるべき一つの論点」だと考えたが、一方で、記事中には「不適切な表現が含まれている」との認識を持ち、20日に長谷川さん本人にコンタクトをとったという。具体的にはタイトルや記事中の文言・表現の再考、事実確認について申し入れを行ったそうだ。
その後、長谷川さんは19日の記事の補足説明を含む新しい記事を公開したが、同編集部は19日の記事と新記事について「削除とする」ことを決定。本人にも通知したという。
今回のことについてBLOGOSは、
「可能な限り多様な意見を掲載し、議論のきっかけとなる場づくりを目指し運用しておりますが、誹謗中傷・公序良俗に反すると捉えられかねない表現、事実とは異なる可能性のある内容を掲載・拡散させてしまうことは、もとより本意ではありません」
とし、「関係者の皆様、読者の皆様にお詫び申し上げます」と謝罪。今後はチェック体制を見直した上で記事掲載を行っていくとした。
本人はブログで主張を貫く
BLOGOSには、800人を超えるさまざまなブロガーが執筆者として登録している。記事はBLOGOS用に書かれたものではなく、個人ブログに書かれた記事を転載する形を行っている。
参加ブロガー募集ページには「編集部がエントリの更新を確認、転載作業を行います」と書かれているため、転載は自動ではなく、あくまで手動。今回の長谷川さんの記事は、その「確認」部分に不備があったということのようだ。
ネット上では相変わらず長谷川さんへの批判が渦巻いているが、同時に謝罪したBLOGOSに対しても、
「こんな駄文を載せてバカを使い続けるブロゴスも同罪」
「『編集部』とか『メディア』を二度と名乗らないで欲しい」
といった厳しい声が相次いでいる。
また、BLOGOSに限らず、転載中心のネットメディアの在り方を問う声も出てきている。
一方、長谷川さん自身はブログ記事を削除していない。そればかりか22日にも新しい記事を公開し、「実際に人工透析を受けている患者さんの8~9割が自業自得」という主張は貫いている。
さらにブログでは「炎上」についても言及。「『ハセガワ』をバカにしながら、それでもみんなで少しでも知って考えることが大事なんです」と訴え、炎上を「とても素晴らしいもの」と好意的に捉えていることを明かした。