外国為替市場で一気に円高ドル売りの流れが加速している。2016年9月21日の日銀の金融政策決定会合の後、一時、1ドル=102円台半ばまで円安ドル高が進んだが、その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が日本時間の22日未明に「追加利上げ」を見送ると、海外市場で一気に円買いが進んだ。
一時は1ドル=100円20銭近辺まで円高が進み、100円を突破するとの見方も市場では広まった。ほぼ1か月ぶりの円高ドル安水準だ。22日は東京市場が祝日で休みのため、23日の市場に注目が集まっている。
日米の金融政策に振り回される市場
FRBの連邦公開市場委員会(FOMC)は日本時間の22日午前3時過ぎ、金融政策を現状維持とし、政策金利は据え置きのままとし、一部に観測の出ていた「追加利上げ」を見送った。ただ、年内に追加利上げをする可能性も示唆した。
21日の日銀の政策決定は、金融緩和を強化としたと受け止められ、円がドルに対して売られ、東京市場では1ドル=102円台半ばまで売られる展開となり、市場は、続くFRBの決定を見守る動きとなっていた。FRBが「利上げ」に踏み切れば、日米の金利差が開き、さらに円安が加速するとの予想もあったからだ。
しかし、FRBは利上げを見送るとの見方も根強く、ニューヨーク外為市場では、徐々に円を買い戻す動きが強まり、「見送り」が正式に発表されると、一気に1ドル=100円の水準に近づいた。日銀とFRBの決定に振り回された市場だった。
22日は日本市場が休みだが、海外市場では1ドル=100円台前半で推移。100円20銭もつけるなど100円ちょうどに近付いているが、日本市場が休みのこともあり、その後はこう着状態になっている。
円高が1ドル=100円を突破するようなことになると、輸出企業を中心とした企業業績の悪化を懸念した株の売りも予想される。このため、市場関係者の間では、休み明けの東京市場の行方に注目が集まり、半日の間で円安から円高に反転したことを警戒する見方も出ている。
ツイッターなどでは、
「意外とドル円100円切らんなー。時間の問題の気もするけど」
「日銀を信じてトレードをしてはいけない」
「95円になってもおかしくない形だ」
など、1ドル=100円突破を見越したような声が上がっている。