東京の豊洲新市場の床下空間にたまった水から、都議会各派などの調べで、微量のヒ素や六価クロム、シアン化合物が検出され、その見方を巡って専門家の間でも議論になっている。
「ヒ素検出」「地下水由来か」――共産党都議団が2016年9月16日に青果棟床下の調査結果を発表すると、各メディアにはこんな見出しが躍った。
猛毒シアンも検出され、専門家の間で論議に
環境基準の1リットル当たり0.01ミリグラムには満たず、0.004ミリグラムに過ぎなかった。しかし、「汚染地下水」という共産党側の見方も報じられ、ネット上では、新市場で生鮮食品を扱うことに不安を訴える声が相次いだ。
さらに、都が17日に発表した調査結果でも、環境基準以下のヒ素や六価クロムが検出され、今度は都議会公明党が20日、水産卸売場棟床下から猛毒とされるシアン化合物が検出されたと発表した。それによると、環境基準とほぼ同じ1リットル当たり0.1ミリグラムだった。公明党の調査では、基準以下のヒ素も検出されている。
シアンの検出については、専門家の見方が分かれた。朝日新聞の記事(20日ネット版)によると、都の技術会議元委員で都環境科学研究所の長谷川猛・元所長は、「汚染のないきれいな河川と同レベル」などと答えた。一方、元日本環境学会長の畑明郎氏は、「極めて重大だ」「地中には、より高濃度で残っている可能性がある」と指摘した。
一方、ヤフー・ニュースのコメント欄などを見ると、豊洲新市場についてさらに不安が増大しているようだ。「食品扱う施設としてはもうアウトじゃない?」「まだまだ、色々でてきそうだな」「これはもうダメでしょう。白紙からやり直して」といったコメントが多くの支持を集めていた。
しかし、識者からは、ツイッターなどで騒ぎすぎではないかとの指摘がいくつも出ている。