2016年9月21日早朝、ツイッターのトレンドワードに「ビクターさん」が急浮上した。レコード会社「ビクターエンタテインメント」のことだが、わざわざ「さん」付けで大量につぶやかれているのには事情があった。
同社はこの日、所属アーティストSMAPのベストアルバム発売を発表した。グループは年末での解散を発表しているが、CD特設サイトに「解散」や「最後」の文字はなく、あくまで「25周年記念」と銘打たれている。ファンらはここに感動し、「ビクターさん」ツイートを次々と寄せたというわけだ。
ハッシュタグまで登場
アルバムタイトルは「SMAP 25 YEARS」。収録曲はファン投票によって決定する仕組みで、21日から10月4日までの2週間、特設サイト上でリクエストを受け付ける。投票結果の上位から順に約50曲を3枚組CDに収録し、12月21日に発売する。
リリースについては、21日5時前後にスポーツ紙3媒体が報道し、1時間後には音楽情報サイト等が一斉に報じた。これらによれば、ビクターは「1991年にCDデビューし、25周年となる今年、SMAPの音楽活動を支えてきてくださったファンの皆様の思いを大切に受け止め、反映させたアルバムを作りたい」との考えから今回の企画が決定したと説明している。
なお、スポーツ紙はそれぞれ見出しに「ラスト」という言葉を使っているが、報じられているビクターの企画意図や特設サイト上には「ラスト」「最後」「解散」といった直接的な言葉は見当たらない。
ファンらはこれに感動したようで、「ビクターさんのサイトは愛があふれてる」「所属事務所からはまーったく愛情が感じられないからか、ビクター様の膨大な愛情に土下寝したい気分です」などとツイッターに続々と投稿している。「#ビクターさんありがとう」とのハッシュタグまで登場し、反響を呼んでいる。
Amazonや楽天でCDランキング1位に
8月の解散発表以降、ファンらは「SMAPは終わらせない」を合言葉にネット上で連携し、さまざまなアクションを起こしてきた。25周年当日の9月9日には複数紙の読者投稿欄にお祝いメッセージが多数掲載され、大きな話題になった。
今回のCD発売を受け、「解散阻止運動」は一層勢いづいた。ネット上には感謝の声と合わせて、
「もっと騒いで解散撤回まで持ち込もう」
「ビクターさんに感謝! ここから怒涛のスマヲタの逆襲だよ!!!!」
といった声が上がり、盛り上がりを見せている。
なお、CDはさっそく予約が殺到しているようだ。Amazon.co.jpや楽天ブックスのランキングでは21日19時時点で1位(初回限定仕様)、2位(通常仕様)を独占している。