未達なら「辞職」を口にした副総裁も
日銀の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策の導入に、インターネットでは、
「シンプルさが黒田日銀の売りだったはずだが、なんだか訳わからん状況になってきたなw」
「マイナス金利はそのまま? 事実上の緩和縮小だな」
「言えることは、また失敗するということだな。まさに末期的だ」
「マイナス金利止めるんか。これで喜ぶのは銀行だけだよ」
「もうやりようがなくなってきてお手上げ状態ってことだな」
などと、金融緩和の効果があるのかどうか、懐疑的な見方も広がっている。
日銀が掲げる物価上昇目標の「2%」は本当に実現できるのか――。
物価上昇目標の「2%」達成は、いわば黒田日銀の「公約」だ。「総括的な検証」にあるように、たしかに異次元の金融緩和は導入直後からしばらくは円安株高を招き、経済や物価の好転をもたらしたことは事実。それが原油価格の下落や消費増税後の消費低迷などで急ブレーキがかかったことは「不運」だったのかもしれない。
とはいえ、日銀は2016年4月の金融政策決定会合までに、2%の物価上昇目標の達成時期を4回先送りしてきた。このときの会合後の会見で、黒田総裁は「2%の目標は十分に達成できる」と強気な姿勢をみせたものの、達成時期はそれまでの「2017年度前半ごろ」から「18年3月(17年度)中」に後退。打つ手に、行き詰まり感が漂っていた。
また、岩田規久男・副総裁も2013年3月の就任前に、「2年程度で2%の物価目標が実現できない場合は辞職する」などと発言していたことがあった。その後事実上、発言を「修正」した。黒田総裁の任期は2018年4月までだ。