東京外国為替市場では、2016年9月21日13時すぎに、日銀の金融政策決定会合の発表を受けて、円売りドル買いの流れが強まり、ドル円相場が1円近く円安に動き、1ドル=102円台で推移している。
決定会合の結果が発表されていない正午前後までは、101円台半ば~前半で推移していたが、日本銀行の金融政策決定会合の結論が長引くにつれて、「追加緩和」への期待感からジワジワと円安が進んでいた。14時現在、102円半ばで推移している。
マイナス金利の副作用を緩和する措置も
当初、21日正午には何らかのアナウンスがあるとみられていた日銀の金融政策決定会合は、13時18分に2日間にわたる決定内容を発表した。
購入する国債の平均残存期間を「7~12年程度」とする年限基準を撤廃。国債購入の手法を柔軟化するとともに、過度の金利低下を回避し、金融機関に生じているマイナス金利の副作用を緩和するための措置も導入する。また、民間金融機関が日銀に預ける当座預金の一部に適用しているマイナス金利は現行のマイナス0.1%を維持し、拡大を見送った。
外為どっとコム総合研究所の調査部長・上席研究員、神田卓也氏は、「ちょっと見ると金融緩和の縮小のように見えますが、2%の物価上昇の期限にこだわらず、達成するまで(金融緩和策を)継続する『無期限緩和』に踏み切ったことが『強化』と評価されているようです」とみている。
今回の日銀の金融政策決定会合では、この3年半の「総括的な検証」がとりまとめられたが、為替市場は「追加緩和の有無」に注目が集まっていた。そのため、結果次第ではドル円が大きく上下に振れ、とくに「現状維持」や明確な追加緩和策が打ち出されなかった場合には、「円が1ドル=100円を突破する、円高になるおそれがある」との見方が広がっていた。
一方、米連邦準備理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)日本時間の22日午前3時ごろには、「追加利上げ」の有無についての結論を出す見通しで、米国が「利上げ」となれば、日米の金利差の拡大から、さらに円安が進行することも予想される。