東京・新宿歌舞伎町のイタリアンレストランが「男性のみの入店」を禁止してツイッターなどで物議を醸し、店側は、J-CASTニュースの取材に対し、「誤解を招いた」として看板を撤去したことを明らかにした。
歌舞伎町・一番街の入口から少し行ったところに、2016年7月6日に開店したこの店「コン・テラッツァ新宿」はあった。9月20日に16時の開店から少しすぎたころ、J-CAST記者が店を訪れると、確かに話題の看板を店頭に置いていた。
看板では、男性を示すマークの上に「×」印
男性を示すマークの上に「×」印があり、1人でも複数でも入店は遠慮してほしいとあった。その一方、女性のみや男性の女性同伴の来店については、「◎」印が付いている。
騒ぎのきっかけは、ツイッターであった17日の投稿だった。この投稿主は、看板の写真をアップして、「男はイタリア料理食べる権利もない時代きてんのな!」と不満を示した。さらに、「女がいないと男は他人に迷惑をかけるって見解なのかな。場所柄外国人も多いし、そういう国だと誤解されるのはやだな...」などとつぶやいた。
店が食べ飲み放題のイタリアンバイキングであることから、男性だけだと食べすぎで採算が悪くなると考えたのではないかともこの投稿主は推測した。
投稿主のツイートは、2万件以上もリツイートされており、ツイッターのまとめサイト「togetter」でも取り上げられている。その書き込みを見ると、「これは酷い」「男には住みにくい世の中になってきたな」などと疑問や批判が相次いでおり、男性差別ではないかといった意見があった。性同一性障害の人も入店できないのかとの指摘もあった。
一方で、「店に客選ぶ権利がある」「これは男が女を誘えるツールとなるのでむしろ喜ばしい」と前向きにとらえる声も出ていた。
「男性差別の認識はないが、誤解を招いた」
「男性のみお断り」については、店のフェイスブックや情報サイト「ぐるなび」の店紹介などでも、明確に示されている。そこでは、「日本初!男性のみの入店お断り!女性に優しい食べ飲み放題イタリアン」「男性の目を気にせず心行くまで満足したいという要望にお応えします」とうたってあった。
「コン・テラッツァ新宿」の店を運営する新宿メトログループでは、9月20日夕になって、広報担当者が取材に対し、こう説明した。
「歌舞伎町は、男性が多いイメージがあり、女性がお店に入りづらいことから、気軽に入れるようにと考えました。男性差別という認識はまったくなく、性同一性障害の方ももともと断るつもりはありませんでした。男性はバイキングで食べすぎるからという意図もないです」
ただ、電話などで様々な意見が寄せられ、誤解も招いているとして、20日から「男性のみ」でも入店できるようにしたことを明らかにした。これまでに、「男性のみ」を巡るトラブルは聞いていないという。
コン・テラッツァ新宿の店長は20日夕、取材に対し、運営会社の意向を受けて看板を撤去したと話した。フェイスブックなどの店紹介も、今後修正するとしている。
なお、新宿メトログループは、地下鉄の東京メトロとは無関係といい、ホームページを見ると、飲食店やパチンコ店、バッティングセンターなどを運営している。