脱「アムロの呪縛」に燃え上がった 「大御所」古谷徹、驚愕の努力姿勢

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   大人気アニメ「ワンピース」。主人公モンキー・D・ルフィの義兄弟として重要な役割を担うサボが登場したのは2014年9月28日放送回から。演じているのは声優界のレジェンド、古谷徹さん(63)だが、古谷さんはこの役を得るため自分の名前を伏せてオーディションに参加したのだという。

   というのも、「機動戦士ガンダム」の主人公アムロ・レイのイメージが強すぎたため、オーディションに呼ばれなくなってしまった。そんな悩みをテレビ番組で語った。

  • 「古谷=アムロ」のイメージが強すぎた(写真は古谷さんのツイッターのスクリーンショット)
    「古谷=アムロ」のイメージが強すぎた(写真は古谷さんのツイッターのスクリーンショット)
  • 「アムロ、行きまーす!」などの名ゼリフも多い(写真は12年4月撮影)
    「アムロ、行きまーす!」などの名ゼリフも多い(写真は12年4月撮影)
  • 「古谷=アムロ」のイメージが強すぎた(写真は古谷さんのツイッターのスクリーンショット)
  • 「アムロ、行きまーす!」などの名ゼリフも多い(写真は12年4月撮影)

「ワンピ」のサボ役は名前を伏せて挑戦した

   古谷さんが出演したのは16年9月19日放送のフジテレビ系情報番組「ノンストップ!」。古谷さんは17日に行われた「東京ゲームショウ 2016」の「ガンダムゲーム30周年スペシャルステージ」にアムロ風の衣装で舞台に立ち、アニメ内の決めゼリフで会場を沸かせた。インタビューでの会話はまるで本物のアムロと語り合っている気分になって嬉しいと称賛を受けたが、実はこの「古谷=アムロ」という構図が悩みの種だったと明かした。

   アムロを演じたのは25歳の時からで、そのイメージが強くなりすぎて、だんだんオーディションに呼ばれなくなっていった。本人からすれば役が違うわけだからそれに合わせた違う声を出せるのに、敬遠されてしまっている。古谷さんは、

「それこそ名前を伏せてでも、変えてでもオーディションを受けたいし、新しい役にチャレンジしたい。それで2年前にあるオーディションに参加したんです」

と語った。名前を伏せて参加したのは「ワンピース」のサボ役。ルフィとエースの幼馴染で、3人は義兄弟の盃を交わしていて、エースがなくなった今、今後のストーリー展開に重要な役割を果たすキャラだ。地声がアムロに近い古谷さんは、絶対に合格したいという思いから地声そのものも変えた。いつもならいい声が出るように万全の態勢で臨むのだが、その時は深酒をして喉を傷めつけるなど体が悪くなるような事をあえて行った。

「おかげでハスキーな低い声が出せた」

   アムロを消し去ったことが功を奏したという。放送を見てもサボの声は説明がなければ古谷さんだとは気付かないし、実際に放送開始当時はアムロ風の声になるのではないか、と思っていた人たちがネット上に大勢いたが、「違和感がない」「これが大御所の実力」などといった称賛が起きた。

「星飛雄馬を吹っ切れたと思ったらアムロだものな」

   また、古谷さんは番組で、

「これまでずっと少年、青年のキャラクターをやってきたがために、大人の芝居がまだできていないんじゃないのかな」

との悩みを打ち明けた。

   特に洋画の吹替えの仕事が少なかったため、これからはそういう役にもチャレンジしたいとの抱負を語った。番組のスタジオでは古谷さんの話を聞き、60歳を超えた日本を代表する声優であっても苦悩し、チャレンジし続ける姿は素晴らしいといった驚きの声が漏れていた。この番組についてネットでは、

「星飛雄馬を吹っ切れたと思ったらアムロだものな。声に個性がある声優さんが著名な役をやるとどうしてもイメージがつきまとうね」
「星飛雄馬やったあとアムロやって、親父にもぶたれた事無いのに!は皮肉効いてて良かったw」
「古谷さん若いな。俺が見てた巨人の星から47年は経ってるな」

といった声が出ている。

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