プロ野球・横浜DeNAベイスターズの三浦大輔投手(42)が2016年9月20日、横浜市内のホテルで会見を行い、今シーズン限りでの現役引退を発表した。1991年にドラフト6位で大洋ホエールズ(当時)に入団して以来、25年にわたり「横浜一筋」でプレーを続けた。
トレードマークのリーゼントヘアと男気溢れるキャラクターから、「ハマの番長」の愛称でファンに親しまれてきた三浦投手。会見では、現役引退後の身の振り方だけではなく「リーゼントはどうなるのか」といった質問も出た。
「監督になってもリーゼントで!」
三浦投手は25年のプロ生活で532試合に登板、これまでに通算172勝(183敗)を挙げている。1997年には最高勝率、2005年には最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得。2000年代中盤から長らく低迷を続けていたチームの「大黒柱」として、横浜投手陣を引っ張ってきた。
今回の20日の会見で三浦投手は、引退を決意した理由について「勝てなくなったからです」と明快に説明。その言葉通り、今シーズンの投手成績は0勝2敗。初登板となった7月11日の対中日戦で、4回6失点と打ち込まれたことで「引退を決意した」とも明かした。
チームメイトに引退の事実を伝えたのは、会見前日の9月19日の試合後だったという。DeNAが球団史上初となるCS(クライマックスシリーズ)進出を決めた直後の報告には、三浦投手も「チームメイトが喜んでいる中、こうした報告をするのはどうかと思ったんですが...」と苦笑い。ただ、チームメイトからは「辞めないでください」などと温かい声がかけられたという。
三浦投手の引退会見では、トレードマークの「リーゼントヘア」に関する質問も集まった報道陣から飛んだ。記者から引退後の髪型について質問された三浦投手は、
「(リーゼントは)卒業しません。できる限り、やり続けたいと思っています」
と笑いながら答えていた。別の記者から「リーゼントに込めた思い」について質問されると、
「この髪型が単純に好きですから(笑)。ただ、ルーキー時代に最初に始めた頃には、何十人という投手がいる中で、注目されたい、目立ちたいという思いがありました。自分に気付いてもらえなければ、(試合で)使ってもらえないですから」
と振り返った。また、会見に出席したフジテレビのアナウンサーからは「監督になってもリーゼントでお願いします!」というエールも飛んでいた。
プロ初登板時の対戦相手は・・・
三浦投手の引退会見の様子はDeNA子会社の「SHOWROOM」が運営する同名のストリーミングサービスで生中継された。主催者が会見中に伝えたところによれば、視聴者数は6万人以上に達したという。
横浜一筋で現役生活を過ごした三浦投手の引退を受け、ツイッターやネット掲示板には、
「長い間お疲れ様でした。 ありがとう」
「また子どもの頃から見てきた人が居なくなるのか...」
「番長の引退会見でボロボロ泣いた 来年の横浜には背番号18三浦大輔がいないのか」
などとファンから惜しむ声が数多く飛んでいた。
また、ネット上では「三浦投手の初登板時」の大洋ホエールズの先発メンバーを振り返りつつ、25年のプロ生活の「長さ」を実感するユーザーも出ていた。
三浦投手が初めてプロのマウンドに登った1992年10月7日の対巨人戦では、両チームの先発メンバーに『進藤達哉』『石井琢朗』『原辰徳』『篠塚和典』といった名前が並んでいた。こうした懐かしい顔ぶれをみたネットユーザーからは、「感慨深いものがあるよなぁ...」といった声が漏れていた。