ママがいなくても赤ちゃんができた マウスで成功、将来は人間でも?

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   「男の人にも出産の大変さを経験させたい!」――こういわれて肩身の狭い思いをした男性も多いだろう。しかし、将来、女性がいなくても男性だけで赤ちゃんができる世の中がくるかもしれない。

   英バース大学の研究チームが、マウスの実験段階だが、卵子を使わずに精子だけで子どもを作りだすことに成功し、英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」(電信版)の2016年9月13日号に発表した。

  • マウスの段階ではママなしで子どもが誕生
    マウスの段階ではママなしで子どもが誕生
  • マウスの段階ではママなしで子どもが誕生

将来は男性1人で「双子」を生めるかも

   研究チームは、まずマウスの受精していない卵子を、特殊な化学薬品を使って通常の体の細胞と同じ性質をもつ偽の胚細胞(卵子や精子などになる生殖細胞)に変化させた。それに精子を注入したところ、24%の確率で受精し、マウスの赤ちゃんが誕生した。マウスは健康で、ほかのマウスと寿命が変わらず、通常の繁殖もしたという。

   哺乳類に胚発生をさせることができるのは、卵細胞(卵子)だけというのが、これまでの定説だ。今回の手法を使うと理論的には皮膚などの細胞を使って、卵細胞に代わる胚細胞をつくることが可能になる。

   研究を主導したアンソニー・ペリー博士は、BBCの取材に対し、「哺乳類の子どもは、受精した卵細胞によってしか誕生できないという200年間の定説を覆す成果だ。遠い将来、2人の男性の一方が通常の細胞、もう一方が精子をそれぞれ提供して子どもをつくることができるかもしれない。また、1人の男性が、自分の細胞と精子を使って子どもを持つ可能性もある。その場合、子どもはクローンよりも一卵性ではない双子に近いだろう。ただし、現段階ではあくまで空想の領域だ」と語っている。

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