【とくダネ!】(フジテレビ系)2016年9月16日放送
「ご用心!高額請求"美容トラブル"」
国民生活センターが2016年9月15日、高額化する美容医療トラブルについてウェブサイト上で注意喚起した。特に60代以上の高齢女性に被害が増えている。
番組が取材したのは、70代の女性だ。いわゆる「リフトアップ注射」で請求された金額は、常軌を逸していた。
相談に行ったつもりが強引に施術へ
70代女性は、美容クリニックでのカウンセリングで「目の下のクマ」の悩みを訴えた。勧められたのは、顔のたるみを持ち上げて目立たなくするリフトアップ注射だ。「1回の注射で終わり」と聞かされたが、金額を提示されて仰天した。745万2000円――。「夫に怒られる」と話したら、クリニック側から「ご主人は理解してくれない、絶対に言わない方がいい」と説得された。
その日は持ち合わせがなく、1万円を「申込金」として支払って施術を受け、残金を翌日現金で支払った。ところが、注射の効果は全く表れなかった。クリニックに抗議しようと考えたが、実は女性が施術前に署名した「誓約書」には、こんな内容が含まれていた。
「貴院に対して一切の異議申し立てを行わない」
「手術費用はいかなる場合においても返金されない」
そこで女性は弁護士を通して、返金を要求。最終的に全額が払い戻されたという。
国民生活センターの事例では、70代の女性が、あるクリニックへ「しわ伸ばし」の相談に出向いたところ、いつの間にか施術の話になり、「30分で済む」と半ば強引に同意書を書かされて注射4本を打たれたという。その場では頭が真っ白になって何を言われているか分からなかったが、帰宅後に書類を見ると請求額が1300万円と記載され、驚いて消費生活センターに連絡した。
こうしたトラブルの最近の傾向について、平野早苗リポーターは「件数が増えてきているというよりは、金額が高くなっている」と説明した。
誇大広告で根拠なし、料金も明示されておらず
トラブルに巻き込まれた女性の多くは、新聞の折り込み広告を見てクリニックを訪れている。平野リポーターが挙げた折り込み広告の例には、「最先端の美容医療でいつまでも若々しく」との宣伝文句が踊り、「美しくなった80歳女性」として紹介されている人の写真が掲載されていた。確かに見た目は若々しいが、本当に「施術を受けた」「80歳」かどうかは不明だ。
さらに問題なのは「注射だけでマイナス10歳」という記述。誇大表現のうえ、根拠はない。施術は「切らない、腫れもない」とアピールしている半面、リスク説明は一切なかった。料金も「カウンセリング後に決める」との趣旨が書かれているが、金額が明示されていないのは疑わしい。
MCの小倉智昭「どうみても弱みにつけこんでいるとしか思えないですね」
コメンテーター・中瀬ゆかり「こういうトラブル、表になっていないものがいっぱいある気がします」
クリニックで「すぐに施術を」と強く勧められても、いったん帰宅して冷静に考える時間をつくるのが大切だ。