日本近海をさまよう船も
荷主はもちろんだが、寄港を拒否された船に乗り合わせた不運な乗客や乗員は途方に暮れている。
英国の公共放送BBCによると、日本列島付近を航行していたハンジン・ジェネバ号に乗船中の英国の美術大学院生レベッカ・モスさん(25)は「23日を海で」というカナダ・バンクーバーの美術財団のプログラムに、800人以上の応募者から選ばれた。バンクーバーから乗船し、今月15日に上海で下船する予定だったが、今も日本近海をさまよう羽目に。
船には25人の乗員が乗り組み、食べ物や飲み物は数週間持つというが、船長もいつどこに入港できるか見当がつかない。彼女はインスタグラムによる取材を通じ、「2週間前に聞いたときは一時的なものと思っていた。今はどこかに寄港できる知らせを待ちわびているけど、先がどうなるか誰にもわかりません」と不安を隠せない。
BBCの別の取材に、2週間前からシンガポール港に停泊中のハンジン・ローマの36歳の船長は、友達からもらったシンガポールのSIMカード付きスマホが外界の情報を得る唯一の手段という。韓国・釜山に住む妻と娘は1日も早い寄港と帰国を望むが、朗報は聞けないままという。
荷主や乗員の家族は船会社に早急な対応を迫るが、金融支援のめどがつかない限り、船の「漂流」は続く。韓国紙・朝鮮日報日本語版によると、パク・クネ大統領は13日の閣議で、「韓進海運は自助努力が全く足りない」「企業が再建に努めず、政府がすべてを解決してくれるだろうと考える企業経営方式は決して黙認しない」と厳しく批判。韓国では相次ぐ財閥企業の失態やモラルハザードに、かつてないほどの不満やいらだちが高まっている。