家電量販店のヨドバシカメラは、東京都23区全域と武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市の一部地域を対象に、当日配送サービス「Yodobashi Xtreme(ヨドバシエクストリーム)」を、2016年9月15日に開始した。
会員向けのインターネット通販サービス「ヨドバシ・ドット・コム」で注文した商品であれば、乾電池1個でも配送料が無料で、最短2時間30分以内に配送。毎日、気軽に便利に使えるようにした。このサービスに、インターネットでは早くも「最強」の声が寄せられている。
乾電池1個でも無料配送
ヨドバシカメラの「Yodobashi Xtreme」は、2015年2月から東京都内一部地域を対象に、試験的に実施していた ヨドバシ・ドット・コムの当日お届けサービス「ヨドバシエクスプレスメール便」の対象地域を拡張。さらに取扱商品に、新たに調味料や加工食品などの食料品を加えたほか、日用品の品揃えも拡充して、本格的に開始したサービス。
「お客様のご要望にあわせた究極のサービスの実現」を目指し、気軽に便利に買いものできるようすることで購入頻度を高めてもらう。サービス対象地域も、順次拡張する予定。 インターネット通販サイト「ヨドバシ・ドット・コム」の約456万品目の取扱商品のうち、大型家電を除く約43万品目を取り扱い。サイトで受けた注文を、1品から無料配送する。
注目されるのは、「100%自社配送」によるサービス提供だ。東京都23区内全域、13か所に配送拠点を開設。約300台の配送車両と地域専任担当者によるきめ細かい「お届けサービス」を実施。これまで6時間かかっていた配達時間を、半分以下の最短2時間30分以内とする。
新たに開発した全地球測位システム(GPS)端末を使って、ひとつ一つの荷物が今どこにあるのかをリアルタイムで把握。購入した人に商品の到着予定時刻を1分単位で自動的にメールで知らせたり、配達完了を知らせたりする。また、サイズの小さな商品は受け取りサイン不要で、郵便受けに投函する。こうしたことで、再配達のリスクを減らす。
その一方で、利用者の再配達時の要望に対応するため、24時間受け付けの「再配達受付専用自社コールセンター」を開設。中野区や杉並区(順次拡大)では、24時間再配達の試験運用も開始する。
ヨドバシカメラは、「注文、出荷から配送までの一貫したサービスと、IoT(モノのインターネット)をフルに活用することによって、効率的な配送と再配達業務の実現とお客様へのサービスの向上の両立を実現しました」と話す。
「コストは十分にカバーできます」
ヨドバシカメラの「Yodobashi Xtreme」に、インターネットでは、
「すげぇなぁ。ネット通販だとヨドバシ最強じゃん」
「速いのもいいけど、『1品』でもOKなのがいい」
などと歓迎の声は多い。
とはいえ、なかには、
「これは配達や泣かせやわ。自前だからいいってもんじゃないと思うけど」
「こういうのはドローン便とかの設備が整ってからでいいよ。無理に人力でやるとブラック化するぞ」
「ホントに大丈夫? 1時間とか、2時間で1個から無料配送って...」
「ネット通販はこれが当たり前になるよ。できない業者が潰れるだけ」
「そのうちピザ屋みたいに、1時間で届かなければ500円引きとかやり出しそうだなwww」
と、配送する従業員への負担や経営への影響を心配する声は少なくない。
2016年9月15日のJ‐CASTニュースの取材に、ヨドバシカメラは「IoTの活用などで効率的な運用を可能しており、(コストは)十分にカバーできると考えています」と説明している。
インターネット通販が消費者に身近になったことで、米アマゾン・ドット・コムや楽天、「オムニ7」を手がけるセブン&アイ・ホールディングスなども、商品の品揃えに加えて配送サービスの充実を競っている。無料配送や配達時間の短縮は、消費者が日用品などをネット通販で購入する際の大きなポイントだ。
ネット通販の「巨象」、アマゾンジャパンの年間売上高は1兆円近いとされる。ヨドバシカメラの「Yodobashi Xtreme」がどこまで対抗できるか、注目される。