めくるめく喜びのクライマックス......のはずが、「あっ、痛たたた」と突然襲ってくる頭痛。それがもとで、セックスに恐怖をもつ人も少なくない。
命にかかわる重大な病気ではと怖くもなるが、恥ずかしくて専門病院に行けない人が多い。このセックスの最中の頭痛って、どんな病気なの?
ヒポクラテスも記載したありふれた頭痛だが
この頭痛、人に相談しにくいのが悩みの種だ。インターネットの「YAHOO!知恵袋 性の悩み相談」には「性交時頭痛に関するQ&A」というコーナーがあり、次のような切実な声があふれている。
「変な質問ですが、悩んでいます! Hをした時や一人Hしてイク時に首から後頭部にかけて物凄く痛みます。痛みの感じは、ズキズキと心臓の鼓動に似ています。このままでは怖くてセックスができなくなりそうです」
「48歳の彼女のことですが、イッた瞬間、頭を金槌で叩かれたような頭痛がすると言います。頭痛は4~5分で治るのですが、行為中のトラブルが心配です。頭痛が起こりだしたのは2年前からですが、その時以降、頭痛が怖いので激しくイカかないようにコントロールしているそうです」
「旦那が2週間前から性の最中に頭痛になりました。目を開けられないほどの頭痛が始まり、しばらく痛がっているのですごく心配です。試しに自己処理ではどうかとさせてみましたが、それでも頭痛がするそうです。旦那は、私に申し訳ないと元気がなくなり、とても気にしています」
このように夫婦仲にまで影響する頭痛だが、実は、古代ギリシャの医学の祖ヒポクラテス(紀元前5~4世紀)も記載している、ありふれた頭痛なのだ。国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類」の中に、「性行為に伴う一次性頭痛」(通称:性交時頭痛)と名づけられている。女性の3~4倍の割合で男性に多い。皮肉なことに、20歳代と40歳前後という、「性の楽しさ、性の奥深さがわかり始める年代」に発症のピークがある。ほとんどの頭痛が片頭痛などと同様、命にかかわることがない無害な「良性性交時頭痛」だいう。