上映中の人気映画「シン・ゴジラ」とのタイアップで防衛省が作成した「自衛官募集」のポスターが今、ネットで話題を集めている。
同映画は防衛省全面協力のもと製作され、実際の訓練場や火器もたびたび登場する。同省の担当者は2016年9月14日、J-CASTニュースの取材に「募集環境が厳しい中、少しでも自衛官を職業として意識してもらえれば」と語った。
映画撮影に協力
防衛省の報道室担当者によると、ポスターは16年5月~6月に作られ、現在は全国50か所の地方協力本部や学校の通学路、駅の掲示板、コンビニ、市役所、ショッピングセンターに掲示されている。ゴジラの全身写真に出演者の名前、公開日が記された映画の宣伝部分と、自衛官募集の告知部分を組み合わせたデザインだ。
「シン・ゴジラ」は7月29日に公開。映画館の動員数を伝える「興行通信社」のニュースサイトによると、観客動員数は9月6日までの40日間で420万8608人を突破し、平成に公開されたゴジラ作品で最も多くなった。興行収入も60億円を超え、今なお伸び続けている。名実ともに「ヒット作」だと注目を集めている。
同作は役柄としての「自衛隊」が活躍するシーンが多く、今回タイアップした理由もやはり「防衛省が撮影に協力しているため」(同省担当者)だという。
「自衛隊の募集環境が厳しい中、募集の対象者に自衛官を少しでも職業として意識してもらえるよう、映画制作会社さんと協力して作りました」(同省担当者)
ポスターへの反応は「肯定的なものが多い」
「自衛官を職業として意識」してもらえているかは不明だが、ポスター自体は大きな話題を集めている。あちこちで撮影されたポスターの写真がツイッターに投稿され、
「そりゃ使うよな!」
「たしかに入隊したくなるかも」
「嬉しいねぇ?痺れるねぇ?」
といった反応が寄せられている。ポスターへの反応を同省担当者に聞くと、
「『良いポスターだ』『映画で自衛隊を見た』など、映画の好評と同じく、肯定的なものが多いですね」
との答えが返ってきた。
その一方、9月12日に首相官邸で開かれた自衛隊幹部との懇親会で安倍首相が「『シン・ゴジラ』でも自衛隊が大活躍している」と述べたと報じられたことも関係しているのか、「(公的機関と)馴れ合いすぎ」という見方もツイートされていた。