フォードは「一気に」完全自動運転めざす 日本車勢は「段階的に」 

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法的な問題点

   法的問題のクリアも簡単ではない。国際的な交通規則を定めた条約では、人間の運転手がいなければならないと規定。レベル4の完全自動運転はもちろん、レベル3以下でも、事故が起きた場合、運転者、自動車メーカーの誰に法的責任を負わせるのかという問題もある。

   国交省は当面、レベル2に対応する技術や規制の基準策定に乗り出していて、運転手がまったく操作をしなくなるなどの緊急事態が考えられる場合は、自動的に路肩に停止することなどを検討しているという。国際的にも、今後、様々なレベルで検討が進む見通しだ。

   こうしたハードルを百も承知で、フォードなどが開発に前のめりになるのは、排ガス規制など20世紀の環境技術が自動車業界の命運を左右したように、自動運転が21世紀の自動車の覇権争いのカギを握るという認識がある。開発競争に乗り遅れれば、部品メーカーの協力を得にくくなり、コスト削減で出遅れる懸念が大きいという。障害物を検知する機器の関連部品などは、すでに囲い込み競争が始まっている。

   欧米勢に先行される日本勢にとっても、2020、21年ごろをめどとする向こう5年の攻防が重要になりそうで、国境を越えた合従連衡にも注目が集まる。

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