強姦罪など性犯罪の厳罰化がさらに進むことになりそうだ。法相の諮問機関「法制審議会」(法制審)は2016年9月12日、法改正の要綱を採択して金田勝年法相に答申した。
答申では、被害者からの告訴がなくても強姦罪や強制わいせつ罪で容疑者を起訴できる「非親告罪化」が盛り込まれたほか、強姦罪の法定刑も、現行の「懲役3年以上」から「懲役5年以上」に引き上げられる。強姦罪では「男性が加害者、女性が被害者」しか想定されてこなかったが、男性が被害者の場合などにも対応できるようになる。
現行では「女子」に限定
強姦罪は、強制わいせつ罪に当たる行為の一部を特別に重く処罰しており、刑法第177条で
「暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする」
と定めている。現行条文では対象が「女子」に限られているのに対して、答申された要綱では
「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下『性交等』という。)をした者は、5年以上の有期懲役に処するものとすること。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とすること」
と、対象と行為の内容が幅広くなっている。