岐阜県本巣市の大型ショッピングモール「LCワールド本巣」が、「生ける廃墟と化している」などとインターネット上で大きな注目を集めている。
最盛期には100店以上のテナントが軒を連ねていた同モールだが、2016年9月12日現在、本館で営業しているのはスーパーマーケット1店舗のみ。そのスーパーも周囲のテナント撤退に伴って営業を大幅に縮小しており、現在では「タマネギの無人販売」を行うだけになっている。
5年前までは年間来場者400万人だった
1992年に県内最大級(当時)の商業施設として開業したLCワールド本巣。当初は「真正リオワールドショッピングセンター」という名称だったが、運営会社の変更に伴い現在の施設名となった。約3万坪と広大な敷地面積に、2600台分の駐車場を用意。11年9月時点では107店ものテナントが軒を連ね、年間の来場者数は396万人に上っていた。
だが、約5キロの距離にある大型商業施設「モレラ岐阜」が12年にリニューアルオープン。海外の人気ファッションブランドを誘致するなど積極的な施策で急激に業績を回復した競合施設の陰に隠れる形で、LCワールド本巣への客足は徐々に遠のくようになった。
14年9月時点でのテナント数は最盛期の半数以下の47店に激減。これ以降もテナントの撤退は止まらず、16年3月末時点でテナント数はたった13店になった。一時は80店舗以上のテナントで賑わっていた「本館」も、スーパーマーケットだけが営業を続ける「異常事態」になっていた。
そんな同モールがネット上で注目を集めるようになったのは、車で通るのが難しい道やさびれた施設を紹介するサイト『TEAM酷道・廃墟』を運営する「よごれん」さんの「現地レポート」がきっかけだ。16年9月10日、ツイッター上で「LCワールド本巣の生ける廃墟っぷりが凄い」として、複数枚の現地写真を投稿したのだ。
よごれんさんの投稿によれば、本館で唯一営業していたスーパーマーケットのトミダヤも4月20日で営業を大幅に縮小。十数個のタマネギが無人販売されているだけで、「タマネギを売るためだけに巨大モールが開いてるという不思議」な状態になっていたという。その上で、
「そもそも開いてる入口は1か所のみで、駐車場に車は1台もおらず、誰も営業しているとは思わない」
とも報告していた。