国土交通省は、韓国・サムスン電子製の新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」の航空機内への持ち込みについて、機内では電源を切ることや充電しないことを国内の航空会社に要請した。
「ギャラクシーノート7」は、日本での発売時期は未定だが、米国などの販売されている国では充電中に内蔵しているリチウムイオン電池が出火したり爆発したりする事故が多数発生しているとされる。
特定製品の持ち込み「制限」は極めて異例
スマートフォンやパソコンなどリチウム電池を内蔵したモバイル機器は、「航空機による爆発物の輸送基準を定める告示」で、「旅客が機内持ち込み手荷物や受託手荷物として輸送できる」と定めている。
しかし、韓国のサムスン電子が製造・販売する新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」は、すでに米国などで販売されており、充電中に内蔵のリチウムイオン電池が爆発する事故が多数発生していることが報告されている。
そのため、国土交通省はサムスン電子が安全対策を講じるまでの当面のあいだ、「ギャラクシーノート7」の航空機への持ち込みについて、(1)機内では電源を切ること(2)機内では充電を行わないこと(3)受託手荷物として預け入れないこと――を乗客らに周知するよう航空会社に要請したと、2016年9月9日に明らかにした。
今回の措置について、国土交通省航空局は「日本での発売はまだですが、日常生活においては充電時などの事故情報が寄せられています。米連邦航空局(FAA)からの情報や、航空機内でも充電ができることを考慮した結果です」と話す。
加えて、「これまで特定の企業、特定の製品を対象にした、こうした対応はありませんでしたが、本件は安全上の不安が大きいと判断しました」と説明。極めて異例のケースであることを強調した。
一方、韓国のサムスン電子は9月10日、「ギャラクシーノート7」の使用中止を呼びかける案内文をホームページに掲載した。同社は8月19日の発売後、バッテリーの不具合で発火の恐れがあるとして、すでにリコール(回収・無償修理)対象となっており、販売済みのほぼ全部を回収する方針を発表している。
回収作業が完了するのに時間を要するため、ユーザーに対して即座に電源を切ってリコールに応じるよう呼びかけた。