母乳にアレルゲンの成分が混入する可能性
そんな中、徹底した食材管理により、食物アレルギー対応のレストランやツアーを打ち出す業者が出てきている。先述の「ビビット」で紹介された、JALが企画する1泊2日のツアーでは、提供するすべての食事の献立・原材料を細かく記載した資料を参加者に事前配布し、食べられない物をチェックする。参加者ごとに食材を使い分け、調理器具から誤って食材が混入しないように厨房で使う器具の管理にも気を配る。また、アレルゲンに触れただけで発症する子どももいるため、移動に使う飛行機やバスの内装は隅々まで清掃しているという。
レストランでは、予約すればアレルゲンを除いたメニューを提供する店や、グルテンフリー(小麦粉不使用)のスイーツ店のほか、アレルギー対応店舗の検索・口コミサイトもある。
母乳で育てる乳児に食物アレルギーがある場合、母親も食べ物に気をつけなければならない。口に入れた物の成分が母乳に混入し、それを飲んだ乳児がアレルギーを発症してしまう可能性があるためだ。「ビビット」では、加藤シゲアキさんが乳児期に小麦・卵・乳・大豆アレルギーがあったとして、「母も食べないようにしていて大変だったみたいです。苦労したと思う」と話している。
東尾理子さんは13年10月24日、夫・石田純一さんとの間に生まれた理汰郎くんに卵や乳アレルギーがあったとブログで明かした。離乳食を与え始めた頃に受けた検査の結果、「卵は、熱処理した卵白でも高い数値だったので、1歳半くらいまではあげないように指導頂きました」という。初めての食材は、「最初にあげる前に私が食べて、母乳を飲ませて赤くなるか試してみたりして下さいとも言われました」と、医師から受けた指導内容を明かしていた。16年2月4日には、節分の恵方巻きを作るのに「まだ卵アレルギーの残っている息子には納豆きゅうり巻きを。たくさん食べてくれて、良かった」と、食べ物を工夫する様子をつづっている。