無料で見られるものと、対価払って見てもらうもの
藤川:第8章では、著作権や肖像権について聞きました。ネット時代になって、ネットで無料で音楽を聞いたり、お金をかけてつくった写真や動画を勝手に拡散したりするケースがある。おそらく岩立さんの写真も勝手に沢山使われるケースがあります。例えば、自分の顔写真をツイッターのアイコンにするケースです。込山榛香(こみやま・はるか)さん(17)たちの議論では、「無料で誰でも見られるように公開しているものはどんどん使ってもらって構わない」。
一方で、DVDや雑誌のように、お金を払った人だけ対価として楽しめるものについては「それを無料で使うのは良くない」と、はっきりと言っていました。
岩立:モバメも、内容をネットに書いている人がいます。色々なメンバーのものがコピペされていました。それがきっかけで、その子のメールを購読したいと思う人もいるかも知れませんが、たいていは「読めちゃえばラッキー」と、購読しなくなってしまうと思います。そういう意味ではダメだと思いますね。雑誌とかが出たとしても、そのページを写真に撮ってツイッターに載せる人もいるし、インタビュー記事も拡大すると読めてしまう。そういう世の中になってしまっているので、そうしたらお金を払って何かする人は減ってしまいます。社会的にも問題だと思います。
藤川:著作権の考え方には二つ方向性があり、両方が必要だと言われています。ひとつが、著作物が広まる、使ってもらうということ。もうひとつが、作った人の権利や利益がしっかり守られるということ。両方は矛盾する考え方ですが、このバランスをどう取るかが課題です。ネット時代だからますます難しくなっていきます。
岩立:どこまで守られるべきなのか...。守られるべきだとは思いますが、難しいですね。これこそ、答えが出ないですね。
藤川:15期の皆さんは、どうすれば自分たちの活動が維持できるか、熱く語っていましたね。非公式で勝手に写真を売る人がいますが「ああいうのは困る」。雑誌のコピーが出回ると「雑誌を作っている人に申し訳ない」とも言っています。「お世話になっている人のもとで広めたい」。そのためには、公式で作っているものはいいものにして、多くの人が買いやすくして、非公式なものを駆逐するんだ、ということを熱く語っていました。