「ウィキ」の「寄付バナー」がデカすぎ 「広告にしたら?」の声、元管理者にぶつけると...

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広告掲載は「ウィキペディアを崩壊させる」

   2007年から12年まで「海獺」(らっこ)というアカウント名でウィキペディア日本語版の「管理者」を務めた経歴を持ち、過去に複数のメディアから取材を受けたことがあるという男性は16年9月8日、J-CASTニュースの取材に、

「集めた寄付金のほぼ全てがサーバー維持などにかかるシステム管理費と、ウィキメディア財団への訴訟などに対応する専門スタッフの給料に使われているそうです」

と説明する。そのほか、ウィキペディアが全世界で実施するイベントの助成金などに使われる例もあるそうだ。

   寄付を求めるバナーについては、海獺さんの元にも以前、「どうすればユーザーから募金が集まるようになるか」のアドバイスを求めたアンケート協力の依頼が、ウィキメディア財団の募金活動チームから届いたことがあるという。

   また、ウィキペディアが広告を掲載しない方針を続けている理由については、

「財団が掲げる編集方針の1つである、中立的な観点を自己否定することになるからです」

と説明する。海獺さんによれば、自治を重んじるウィキペディアにおいて、記事の編集方針は「トップダウン形式で財団がユーザーに要求した唯一のものといえます」。こうしたルールを自ら反故にしてしまう広告掲載という選択を、財団がとることは「まずありえない」と話した。

   海獺さんは一時間弱に及ぶ電話取材の終わりに、「個人的な思いになりますが」と断った上で、

「仮に広告を載せることになった場合、記事の執筆や編集を行うユーザーはサイトから離れるでしょう。広告掲載はウィキペディアを『崩壊』させると思いますよ」

とも話していた。

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