JR名古屋駅構内の売店での販売が取りやめになっていた、浜名湖名産の銘菓「うなぎパイ」が「復活」する見通しとなった。
JR東海の子会社で、駅構内の売店を運営する東海キヨスクと、うなぎパイの製造・販売元の春華堂(静岡県浜松市)が販売再開に向けて協議を進めている。
春華堂のブランドサイト、通常の3倍のアクセスが殺到
「うなぎパイ」は、静岡県浜松市の「春華堂」が製造・販売する。地元・JR浜松駅に新幹線「のぞみ」号が停車しないこともあり、JR名古屋駅でも販売。「夜のお菓子」のキャッチコピーで知られ、売店でも人気のおみやげ品の一つだった。
ところが、東海キヨスクが「地元の名産品を置きたいことや、他のおみやげ品との兼ね合いや販売状況などを勘案した」ことを理由に、JR名古屋駅のホームなどにある売店での販売を、2016年2月から順次取りやめていた。
これに対して、ツイッターをはじめ、インターネットでは販売再開を求める声が多く寄せられた。
「売ればいいじゃん。もはや『うなぎパイ』は名古屋みやげでしょwww」
「JR名古屋駅、『赤福』はあるけど(うなぎパイは)ないわ。これはしっくりこんな」
「なんでよ。売れてなかったわけでもなかろうに... やっぱなんかあったんか」
「『うなぎパイ』好きです。販売してください」
といった具合だ。
両社にも直接、問い合わせが殺到した。春華堂は「4月の休止後の反響は予想以上に大きく、多くのお客様から名古屋駅でも購入したいとの声が多く寄せられていました」という。
うなぎパイの「販売休止」の報道が広がった9月以降には、「1日15件ほど、直接お電話をいただいたり、ブランドサイトのほうには通常の3倍ものアクセスが全国から寄せられたりしました」と、さらに「販売再開」を望む声が寄せられた。東海キオスクも、「ソーシャルメディアを通じて、かなりの反響がありました。(直接問い合わせがあったケースも)なかったわけではありません」と、その反響の大きさに驚いた。
9月2日には、J-CASTニュースが「『うなぎパイ』がJR名古屋駅から消えた 「赤福」まだ売っているのに何故だ?」の記事を配信している。
話し合い加速「1日も早く販売を再開したい」
そうしたなか、JR東海の柘植康英社長が9月7日に名古屋市で開いた定例記者会見で、「うなぎパイ」について、販売再開に向けて春華堂と協議していることを明らかにした。
柘植社長は、8月末ごろからインターネットで話題になったことを踏まえ、「報道などでも取り上げられ、『うなぎパイ』は大変多くの要望があることが改めてわかった。現在、春華堂と話し合いを進めている」と述べた。
東海キオスクは9月8日のJ‐CASTニュースの取材に、「報道などで取り上げられたことで、JR名古屋駅で(うなぎパイを)購入したいという要望が多数あることがわかりました。現在、販売再開に向けて話し合いをしている最中です」とコメント。「販売状況や他の商品との兼ね合いを見ながら入れ替えを進めます」と話した。
具体的な再開日時や販売する売店については、「これから決めていくことになります」という。
インターネットには、
「見かけたら必ず買っちゃう『うなぎパイ』と『赤福』!大好きっ。よかったぁ」
「なんでJRはこんな嫌がらせのようなことしたのかなぁ? 売れてるもん止めれば、騒ぎになることぐらい想像つくだろうに」
「実際、『うなぎパイ』うまいよ。まあ、売れるんだからJRにとってもオトクだろ。よかったんじゃないの...」
などと、販売再開を喜ぶ声が多く寄せられる。
春華堂は「話し合いの場は休止してからずっともっていましたから、それを加速していきたいです。いまは多くの『うなぎパイ』ファンがいらっしゃること、また応援の声をいただいたことに感謝しています」と話し、販売再開の見通しが立ったことにホッとしたようす。「1日も早く再開したいです」と、力を込める。
なお、うなぎパイは現在、東京‐大阪間を走る新幹線「のぞみ」と「ひかり」で車内販売(一部)しているほか、JR名古屋駅・新幹線地下街ESCA内の「GIFT KIOSK」や「名古屋みやげ処」、ジェイアール名古屋タカシマヤの和洋菓子銘菓百撰(地下1階)などで販売している。