次々と現れる新事実
一方、国交省は、燃費データを不正に計測していたスズキの現行26車種についても確認試験を行ったが、こちらはカタログ値に問題はなく、三菱自の悪質さが改めて浮き彫りになった。今回のマスコミ報道は4月の軽4車種の燃費不正発覚時に比べると小さいが、軽の不正発覚後も現行車の燃費をよく見せかけようとしていた三菱自の企業体質は、その悪質さが際立つ。
国交省の指示を受け、三菱自動車は現行8車種の正しいカタログ燃費値を国交省に届けた。国交省の確認試験でカタログ燃費との差が約8.8%と最も大きかった「RVR」の正しいカタログ燃費は、ガソリン1リットル当たり16.0キロから14.4キロに修正され、旧カタログ値との差は10%となった。自動車のカタログ燃費は実際の量産車がカタログ値に近い燃費を達成できるよう、自動車メーカーが数値に余裕を持たせている。このため、三菱自が今回修正した燃費も、国交省が測定した燃費よりもやや低い値となった。
三菱自がカタログ燃費を修正した結果、燃費性能に応じて自動車重量税(国税)と自動車取得税(地方税)を軽減するエコカー減税についても、「ミラージュ」「RVR」「デリカD:5」の3車種で追加納税が必要になった。エコカー減税の追加納税額は自動車取得税だけでも約5億円とみられるが、三菱自がユーザーに代わり全額負担する方針だ。次々と現れる新事実。果たして、これで三菱自の燃費不正をめぐる問題は決着するのだろうか。疑念は一向に晴れない。