「携帯用受信機」とは何か
NHKの受信契約は、「受信設備(受信機)」を持っていて、それがテレビ放送を受信できる状態であることが条件。つまり、受信機を持っているのであれば、NHKと契約を結ばなければならなくなる。
ただ、受信契約は世帯ごとなどで、世帯主などが受信料を収めていれば、ワンセグを利用してスマートフォンなどでテレビを見ても受信料はかからない。
受信機について、NHKのホームページ(日本放送協会放送受信規約)には「家庭用受信機、携帯用受信機、自動車用受信機、共同受信用受信機など、NHKのテレビジョン放送を受信することのできる受信設備」と書かれている。総務省は、「NHKの受信規約には、受信機に『携帯用受信機』とあり、(ワンセグ機能付き携帯電話が)これに当たります」と、高市総務相が言う「認可」していることは間違いないという。
しかし、それ以上明確な記載はなく、おそらく「家庭用受信機」にはテレビや受信機能付きビデオレコーダー、パソコンがあるとみられ、「携帯用受信機」にはワンセグ付きの携帯電話やタブレット端末が、また「自動車用受信機」にはチューナー付きカーナビゲーションが含まれているとみられる。
そうしたなか、総務省はNHKがワンセグ機能付き携帯電話を持っていることを理由に受信契約を結んでいるケースについて、近くNHKから事情を聴くことを明らかにした。高市総務相の「指示ではない」という。
2016年9月7日のJ-CASTニュースの取材に、総務省は「NHKの受信契約は国民の関心事でもあるので、受信契約の実態を知る必要があります」と、聞き取り調査の目的について話した。
具体的には、自宅にテレビは置いていないが、ワンセグ付き携帯電話を持っているためにNHKと受信契約を結んでいる人がどのくらいいるのかを、NHKから聞き取る。総務省としてはこれまで、まったく数字を持っていないという。
そのうえで、総務省は「NHKが控訴する方針のため、訴訟の推移をしっかりと見守っていきたい」と話しており、総務省として、あらためて結論を出すには時間がかかりそうな雲行きだ。