「意思決定の速さ」を見せた 「JX・東燃ゼネラル」連合の強みとは

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「お家騒動」で出光の「統合」は頓挫状態

   早速、意思決定の速さも見せた。東燃ゼネラルの武藤社長は記者会見で、人員削減について「組織がダブっているところがあり、数百人規模を検討している」と話した。また、製油所の統廃合についても「速やかに検討を始める」と述べ、痛みを伴う改革に正面から取り組む考えを強調した。国内の石油製品需要は過去10年で23%減少し、今後も年2%程度の減少が続くと見込まれるだけに改革は待ったなしなのだ。

   公取委は「JX・東燃ゼネラル」と同時に、出光興産と昭和シェル石油の統合についても審査し、その結果を今秋に公表する見通し。だが、出光創業家が合併に反対しているため、「出光・昭和シェル」は頓挫の可能性も出てきている。業界の現状では、「1強」より「2強寡占」の方が競争政策上は問題があるため、JX・東燃ゼネラルの審査には追い風とみられている。ただ、審査をクリアするには、事業の一部を競合企業に売却するなど競争力を弱める措置がとられるとみられている。

   問題の出光は、創業家と経営陣の争いが泥沼化し、出口が見えない。創業家が反対理由に「社風が違う」などを挙げているが、もはやそうしたことを議論し解決策を探る時期は過ぎたと言わざるを得ないほど、事態はこじれている。当初強気だった出光経営陣内の一部でも悲観論が聞かれ始めたという。創業家側が保有する議決権株は、合併などの重要事項提案に拒否権を発動できる3分の1超。最後はこの拒否権がものを言うだけに、昭和シェルとの統合には赤信号が灯っている。

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