世界3大ミスコンの1つ「ミス・ワールド」の日本代表が決まり、その選考結果を巡って、ネットでちょっとした論議になっている。
芸能界やスポーツ界などでは最近、日本人と外国人との間に生まれたハーフの活躍が目立っている。
日印ハーフの女性がグランプリに選ばれる
東京都内で2016年9月5日に選考会が行われたミス・ワールドでも、ハーフの女性がグランプリを射止めた。
父親がインド人、母親が日本人という日印ハーフの吉川プリアンカさん(22)だ。スポーツ紙各紙の報道などによると、吉川さんは、モデルのほか、通訳もしており、インドつながりなのか、象使いの資格もあるというユニークな女性だ。特技はキックボクシングで、将来は女優としてインド映画にも出たいと話しているそうだ。
ミス・ワールドの本選は、アメリカで11月29日から131か国の代表が参加して行われる予定。日本は、3大ミスコンのうち、ここだけ世界一になったことはないという。
吉川さんは、身長が176センチあり、すらりとしていてエキゾチックな笑顔が印象的だ。
しかし、ニュースのコメント欄などでは、好意的ではない意見も多くの支持を集めている。ハーフの吉川さんについて、「日本っぽくない」「どこの代表だか分からなくなりそう」「もっと綺麗な人いるだろ」と違和感を訴える声も多い。
選考会では、6920人の応募から31人のファイナリストが選ばれたが、吉川さんも含めてハーフの女性が3人いたことにも疑問が出ていた。
もっとも、世界一を目指すミスコンとあって、「派手な顔の人が勝ちやすい」「日本人が思う綺麗と世界が思う綺麗は全然違うってこと」といった指摘もあった。
今回の選考会では、視聴者も電話やネットを通じて投票に参加することができ、その上位は、ハーフではない女性から選ばれていた。
ちなみに、1位は中武夢未さん(実行委員長賞)、2位は鈴木早紀さん(審査員特別賞)、3位は栗山千加さん(ミスヨガ)と当日に会場発表された。ネット掲示板などで人気があった女性もこの中に入っている。
「ハーフの活躍も多く、問題と思っていない」
しかし、ミス・ワールド・ジャパンの公式サイトでは、美貌のほかに知性や個性も選考の基準だとして、「目的のある美」をスローガンに掲げている。事務局の広報担当者は、J-CASTニュースの9月6日の取材に対し、視聴者投票の結果を尊重しながらも、最終的には審査員が総合的に決めていると説明した。
それによると、投票結果やモデル性のほか、特技やボランティア活動など6項目の部門別選考会で審査して、10人に絞る。その後、10人には自己PRのプレゼンをしてもらい、グランプリなどを決めている。
広報担当者は、日本人らしい人がいいなどとするネット上の意見は理解するとしながらも、次のように審査について話した。
「あらゆる業界でハーフの方が活躍しており、選考会でも、ファイナリストに3人も含まれています。その時点で彼女たちにグランプリの可能性があり、本部としてはハーフの女性が選ばれたことは問題だと思っていません。選考会を見ていた方からは、吉川さんがグランプリにふさわしいという声が多いです。また、顔や容姿などで審査するモデルコンテストでもありません。選ばれてからボランティア活動などをすることになっており、女性として社会にどれだけ貢献できるかも見ていますから」
なお、もう1つの3大ミスコン「ミス・ユニバース」では、2015年にアメリカ人の父親と日本人の母親を持つハーフの女性が日本代表に選ばれ、ネット上で「日本人らしくない」と疑問や批判が相次いだことがある。