テレビで芸能人がイジられ笑われたり、ドラマの主人公が恥をかかされたりするシーンになると、気の毒になり、いたたまれたくなる――。そんな感情に心理学の名前があった!「共感性羞恥」というのだそうだ。
2016年8月24日に放送された「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日系)の中でこの感情が取り上げられ、インターネット上で話題になっている。
「マツコ&有吉の怒り新党」で話題の「共感性羞恥」とは
この言葉が紹介されたのは、視聴者からの次のような「お怒りメール」がきっかけだ。
「バラエティー番組でドッキリをかけられるシーンや、ドラマなどで『この後、この人は確実に恥をかくだろうな』というシーンを見るのがとにかくイヤです。かわいそうで見ていられません。しかし、一緒に見ている母に言っても理解してもらえません。この気持ちわかりますか?」
MCの有吉弘行が「わかる?」と聞くと、MCのマツコ・デラックスがうなずく。
有吉「どういうこったよ、なにそれ?」(と不思議そうに)
マツコ「すっごい、わかる。あたし、ドキュメンタリーもそうなの。ほんとに辛いところとか、飛ばさないと見られないの」
有吉「あぁ、そうなの」(と呆れたように)
マツコ「もっと、みんな同じ思いをしていると思っていた」
ここで青山愛アナが「実はこれには名前があるのです」と説明した。
マツコ「えっ? 病気なの?」
青山アナ「病気ではないんです。心理現象です」
ゲストの臨床心理士・内田智章さんによると「共感性羞恥」と呼ばれるもので、こう説明した。
「ドラマなどで、登場人物が恥をかいたりする場面を見ると、その出来事が自分に起こっているかのように共感してしまい、見ていられなくなる心理現象をいいます。自分がミスをした時に恥ずかしく感じる脳の同じ部位が働き、あたかも自分の失敗のように感じるのです」