「人気キラキラネーム」今年も凄すぎ 平凡な名前で後悔したくない親たち

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   「キラキラネームランキング」の2016年上半期版が、スマートフォンアプリ「赤ちゃん名づけ」の運営会社・リクルーティングスタジオから2016年8月4日に発表された。トップ3は「碧空」「星凛」「奏夢」。読めない人が多いかもしれない。

   英国では最近、親の4人に1人が「子にありきたりの名前をつけて後悔している」と答えた調査が発表された。日本の親も、自分の子にキラキラネームをつけるのは、そんな後悔をしたくないからかも。

  • キラキラネームをつける親はどんな思いなのか(写真はイメージ)
    キラキラネームをつける親はどんな思いなのか(写真はイメージ)
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藤本美貴さん「当て字になるからキラキラかな」

   2013年から同社が発表しているこのランキングは、30位までウェブサイトに掲載されている。漢字での表記で順位づけており、同じ漢字でも読み方が異なる名前が多い。たとえば、16年上半期の1位「碧空」は「あとむ」「みく」「みらん」、2位「星凛」は「あかり」「きらり」、3位「奏夢」は「りずむ」「あゆ」などの読み方がある。

   普通に読めそうでもキラキラ化させた名前もある。5位「妃」の読みは「きさき」だけでなく「ひな」「ひより」、22位「翔馬」は「しょうま」以外に「ぺがさす」「かるま」という読みがある。

   芸能人にもキラキラネームを名づける親がいる。ここ1年ほどを見ても、15年8月1日に第2子となる長女を出産した藤本美貴さんが「羽沙(つばさ)」と名付けたと同年8月19日のブログで公表。夫でお笑いコンビ「品川庄司」の庄司智春さんと「真剣に考えて」決めたとしつつ「当て字になるからキラキラかな」と自ら認めていた。

   16年8月に行われたリオデジャネイロ五輪に出場した日本人アスリートでも、競泳女子の今井月(るな)選手や、競泳男子の江原騎士(ないと)選手の名前がツイッターで話題になった。

   なぜ親はキラキラネームをつけるのか。命名研究家の牧野恭仁雄氏は16年7月1日の産経新聞紙面の記事で、キラキラネームは「大正から昭和初期にかけても流行している」として「以利亜(えりあ)」「撒母耳(さむえる)」のような名があったと話す。こうした珍しい名前は当時は埋もれていたが、メディアが発達すると各所で取り上げられ、「ここ20年ほどで大きな流れになった」のだという。

「個性的にしたい」という親の願いが反映

   福井新聞オンライン2012年10月10日付記事で、京都文教大学・人間学研究所長の小林康正教授は、「社会環境の変化」を挙げる。小林教授によると、居住地域に溶け込みながら行っていた子育てが、保育料を払って受けるサービスになり、幅広く名前を呼んでもらう必要が減ってきた。そのため、「個性的にしたい」という親の願いが強く反映された名前になるのだという。

   産経新聞系のニュースサイト「イザ!」の15年2月25日付記事の中で、心理学者の内藤誼人氏は、キラキラネームに重要なのは「音の響き」であって「漢字は後づけに過ぎない」とする。「読めない」という批判は、名付け親からすれば的外れなのかもしれない。

   英国の子育てサイト「mumsnet」が16年8月31日に発表した、1362人の親を対象にしたアンケート調査によると、回答者の18%が子どもにつけた名前を「後悔している」と答えた。その理由として最も多かったのは「ありきたりすぎるから」で、25%を占めていた。日英では単純に比較はできないが、日本人でも奇抜な名前を子に付ける背景として、小林教授が指摘するように我が子の「個性」を引き立たせたいとの「親の心理」が働いても、不思議ではないだろう。

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