「こち亀」の愛称で知られる人気少年マンガ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が、2016年9月17日発売の「週刊少年ジャンプ」(集英社)で、約40年に及ぶ連載を終了する。最終回を収録した単行本も同日に発売予定で、200巻で完結を迎える。
「ロッキード事件」、「世紀の一戦」、「学校給食への白米導入」――。インターネット上では、「こち亀」の連載が始まった1976年の出来事を振り返りながら、その「長期連載ぶり」に驚く人が続出。各界の著名人からも、惜別のコメントがSNSなどに相次いで上がっている。
「こち亀」の連載が始まった1976年の出来事は...
「こち亀」の連載終了は16年9月3日、同作の連載40周年を記念するイベントの中で発表された。作者の秋本治さんは連載終了にあたり、「少年誌で漫画が40年続くってことはまずありえない」「200巻は作家にとって、勲章みたいなものです」などとコメントした。
終了のタイミングについては、作品の主人公である両津勘吉のキャラクターを引き合いに、
「両さんはお祭りが大好きなんですね。40周年でみんなで祝ってもらったときにスッと消える感じが両さんらしい。200冊残して40周年で祝ってもらってスッと消えるのがやっぱり一番良い大団円の場かなと思いまして」
と説明していた。
同作の連載が始まったのは1976年9月21日。それから40年にわたって、1度も休載することなく「ジャンプ」誌上に掲載されてきた。インターネット上では、その「長期連載」の偉業を示すため、連載開始年の出来事を振り返る向きが出ている。
同年は戦後最大の疑獄事件といわれる「ロッキード事件」が発覚し、田中角栄前首相(当時)の逮捕に驚きが広がった。スポーツでは、アントニオ猪木さんとモハメド・アリさんの「世紀の一戦」に列島が沸き、王貞治さんがベーブ・ルース氏の記録を抜く715号ホームランを放った。また、学校給食に「白米」が導入されたのもこの年の出来事だった。
ツイッターなどでは、このように連載当時の出来事を振り返りながら、
「こち亀読めば、その年に何が流行ってたのか分かるよなあ」
「ロッキード事件の年から連載続けてたって想像つかんな...」
「こち亀って永遠にジャンプにいるような気がしてた...」
などと感慨深げに連載終了を受け止める人が数多く出ていた。
ウーマン村本「毎週会ってた友達がどこか遠いところへ転校していく気持ち」
世代を超えて愛されてきた「こち亀」の連載終了には、各界の著名人も様々なコメントをツイッターなどに寄せている。
お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さん(41)は2016年9月3日、
「こち亀が終了...30年近くかかさず毎週会ってた友達がどこか遠いところへ転校していく気持ち...。いるのが当たり前だったからちゃんとしゃべる時も最近じゃなくなっていた」
と連載終了の驚きを表現。その上で、「ありがとうこち亀」と感謝の思いをつづっていた。
脳科学者の茂木健一郎さん(53)も、3日に「両津勘吉は、不死身だと、なんとなく信じていた。。きっと、大変なご苦労が。。。長い間、おつかれさまでした!」とコメント。そのほか、民進党の原口一博衆院議員(57)も、「たくさんの笑いと勇気をありがとうございます。両さんらしい終わり方にも感謝します」と4日に言及していた。
また、2011年のブログで「一番最初に読んだ漫画」などと同作のファンであることを明かしていたHKT48の指原莉乃さん(23)も、「初めて読んだ漫画がこち亀だったので、とてもさみしいです」と3日にツイートしていた。
なお、作品の舞台となった葛飾区の青木克徳区長も3日、報道各社に向けて以下のようなコメントを発表していた。
「連載は終了しますが、これからも亀有は『こち亀』のまちとして、この大きな『宝』を地元の方々とともに、大切にしていきます。長い間、連載を続けていただき、本当にありがとうございました」