はしか患者が夏の大型イベント参加 他人に感染させたら罪に問われる

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   夏休み期間中に開かれた大型イベントに、麻疹(はしか)患者が参加する事例が相次いだ。はしかは感染力が非常に強く、患者の咳(せき)やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むと感染するため、同じ会場にいた多くの人に広がったおそれある。

   もし誰かに感染させてしまった場合、責任はあるのか。弁護士によると、うつした患者は傷害罪に問われる可能性がある。自分がはしかの患者だと認識していなかったとしても、過失傷害罪になるという。

  • 人が密集するイベントに麻疹患者が参加していた
    人が密集するイベントに麻疹患者が参加していた
  • 人が密集するイベントに麻疹患者が参加していた

「傷害」は「身体の生理機能を害すること」

   玩具ショップ・コトブキヤの立川本店(東京都立川市)で開かれた2016年8月26日のアニメイベントに、はしかと診断された客が来場していた。イベント時には発熱の症状があり、その後に診察を受けた医療機関ではしかと分かったという。コトブキヤは31日、発熱や咳の症状が出たら医療機関にかかるよう、他のイベント参加者に呼びかけた保健所の文書をウェブサイトに掲載。症状が出ていなくても、ウイルスの潜伏期間を考えると9月9日まで注意が必要という。イベントには約200人が訪れていた。

   8月14日にも似た出来事があった。カナダのポップシンガー、ジャスティン・ビーバーさんの幕張メッセ(千葉市)でのライブに、発熱や発疹が出ていた男性参加者がおり、19日にはしかと診断を受けた。ライブは約2万5000人を動員しており、国立国際医療研究センター病院・国際感染症センターが24日、フェイスブックで注意を呼びかけた。

   厚生労働省のウェブサイトによると、はしかの感染力はインフルエンザの5倍ほどと非常に強く、免疫がない人がウイルスを吸い込むとほぼ100%発症する。しかも空気感染するので、人が密集するコンサートやイベント会場では特に感染しやすい。

   もしはしかの感染者が他人にうつしてしまったら、傷害罪か過失傷害罪が成立する可能性がある――。アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士(東京弁護士会所属)はJ-CASTヘルスケアの取材にそう答えた。刑法上の「傷害」は「身体の生理機能を害すること」を指し、はしかに感染させるのはこれに該当するためだ。

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