いかに中国を「国際標準」に引き込めるか
とくに、日本は近海を中心に操業し、公海上での漁獲実績はほとんどない。公海上はどの国も自由に操業できるため、そこで中国の漁獲量が増え続ければ、日本近海に影響が及ぶ可能性が指摘されている。実際、三陸や北海道沖など日本近海のすぐ外の公海上で中国漁船が急増しているといい、その意味でも日本として規制強化を求める流れになっているわけだ。
このニュースを受け、ネット上では「合意しても中国は平気で漁船増やすだろ」「中国に資源管理なんて発想はない」「サバが高級魚となる時代はすぐそこ」「サンマに続いてサバもか。日本から大衆魚は姿を消す」「もっと規制を強化すべきだ」といったコメントが並んでいる。
さはさりながら、中国としても「責任ある大国」を目指す以上、国際的な要請を無視するわけにもいかない。長い目で見て、資源の枯渇は自身の首も締めることは、中国だって当然理解している。尖閣問題などで対立する日中だが、経済的実利に絡む交渉でいかに中国を「国際標準」に引き込めるか、日本の外交力が問われている。