熊を素手で撃退した63歳空手家 「大山倍達を超えた」

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   「大山倍達を超えた」「漫画で読んだ話みたい」――。群馬県長野原町の河原で釣りをしていた63歳の男性が、襲いかかってきた熊を素手で撃退したというニュースがネット上で大きな話題を集めている。

   男性は地元で名の知れた空手の高段者。「目があった瞬間に飛びかかってきた」という熊に応戦し、数分間にわたる格闘を繰り広げた。最終的には、熊の右目を指で突いて退散させたという。

  • ツキノワグマを空手で「撃退」した男とは・・・
    ツキノワグマを空手で「撃退」した男とは・・・
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数分の揉みあいの末、指で熊の右目を...

   長野原署によれば、男性が襲われたのは2016年9月1日13時45分頃。長野原町の地蔵川で渓流釣りをしていたところ、5メートルほど離れたところに熊が突然現れた。熊は体長1メートル90センチほどのツキノワグマとみられている。

   熊は男性と目があった瞬間に、立ち上がって飛びかかってきた。男性の頭や腕をかんだり引っかいたりして「攻撃」してきたが、男性も負けじと空手技で応戦。数分間にわたる揉み合いの末、男性は指で熊の右目を突いて撃退したという。男性の身長は約170センチで、格闘した熊より20センチも小さかった。

   熊を撃退した後、男性は自分で車を運転して近くの病院へ。かまれた額や右腕などにけがを負ったが、いずれも軽症で医師からは全治2~3週間と診断されたという。

   TBSのニュースサイト「News i」が2日にウェブ配信したニュース映像では、男性が熊と対決した際の様子を振り返っている。

   男性は「あれ何かいるなと思ってパッと見たら、熊が仁王立ちしていた」と遭遇時の状況を振り返りつつも、「本当に熊のぬいぐるみみたいに耳がまん丸だった」とユーモラスに「対戦相手」の見た目を評していた。

   体感した熊の「強さ」については、「すごい、すごい力」「かすっただけで跳ね飛ばされた」と説明。その上で、

「これはやられそうだと思って、目を突いた。そうしたらくるりと回って逃げていった」

と笑いながら話していた。

地元では名の知れた空手家

   63歳の男性が素手でクマを撃退したという驚きのニュースは、ネット上で大きな反響を呼ぶことになった。ツイッターやネット掲示板などには、

「すごすぎる。 小さい頃漫画で読んだ話みたい」
「完全に人外」
「冷静だなー空手の腕前とかじゃなく精神が強いんだな」

などと驚きの声が殺到。ツイッターのトレンドには一時「空手高段者」「クマ撃退」など複数の関連ワードが登場していた。

   そのほか、「熊殺し」の異名で知られた米国出身の空手家のウィリー・ウィリアムスさんや、素手で暴れ牛を倒したなどの逸話が残る伝説の空手家の故大山倍達(ますたつ)さんを思い出す人も続出。「ウィリーの伝説を21世紀に再び味わえるとは」「大山倍達を超えた」との声も数多く飛んでいた。

   このようにネット上で注目を集める「熊倒し」の男性、いったいどのような人物なのだろうか。長野原署の長谷川仁副署長は9月2日のJ-CASTニュースの取材に対し、

「地元では名の知れた空手家だそうです。『段数』を明かすと名前などの個人情報が分かってしまうので、本人からは『高段者としか伝えないようにしてくれ』とお願いされています」

と話す。現場では熊の目撃情報がたびたび出ていたが、男性は熊除けの鈴などの対策用品を一切持っていなかったという。

   なお、同署は今回の出来事を受けて「熊を見かけたら戦わず、そっと離れて通報してほしい」と1日に呼びかけていたが、長谷川副署長は

「それ以前に、熊と遭遇しないようにすることが大事です」

と指摘。普通の人は、出没例のある場所に行く際はしっかりと対策をしてほしいと、改めて注意喚起している。

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