【健康カプセル!ゲンキの時間】(TBS系)2016年8月28日放送
「体力強化から認知症予防まで!大人のためのゲーム講座」
ゲームセンターに繰り出し、家ではテレビゲームを楽しむ――。こんな高齢者、いわゆる「シルバーゲーマー」が今、増えている。
単なる暇つぶし...かと思いきや、実はゲームには高齢者の健康につながる様々な効果が期待されている。
脳年齢が実際より50歳ほど若く
フリーアナウンサーの鈴木史朗さん(78)は、意外にも芸能界屈指のゲーム通だ。次々出てくるゾンビと戦うサバイバルホラーゲーム「バイオハザード」に夢中で、毎日欠かさず2時間はプレーしているという。
鈴木「我々高齢者は放っておくと認知症になりかねない。ゲームは脳の活性化に役立つ」
これはゲーマーの妄言というわけではない。東京大学大学院情報学環・馬場章元教授が行った実験では、ゲームをする人としない人とで「達成力」「遂行力」「思考力」「集中力」「動体視力」「瞬発力」の6つの能力を比較したところ、ゲームをする人の方が全てにおいて高いという結果が出ている。
鈴木「一番能力が上がったと感じるのは車の運転。赤信号なのに突っ込んできた子供連れのお母さんの車を、ゲームのおかげの瞬発力で一瞬で避けた」
ゲームの効果があらわれているのは、鈴木さんだけではない。
大阪府の加三清さん(79)は、還暦祝いに子供からゲーム機をプレゼントされたのをきっかけに、テレビゲームが日課になった。
加三「ゲームはストレス解消というか気分転換というか、その日の終わりに自分の精神状態をノーマルにする」
脳年齢チェックのテストを受けてもらうと、何と30代相当と、実年齢よりも50歳ほど若い結果が出た。
家にテレビゲームがない人は、手と脳を同時に使う日曜大工や料理で、同程度の脳への刺激が得られる。
ゲーセン仲間との交流が好影響
テレビゲームのみならず、ゲームセンターのアーケードゲームにも脳への好影響が期待できる。
新潟県で接骨院を営む荒井紀久代さん(77)は、休日の息抜きにクレーンゲームを楽しんでいる。ある日は2時間で30個もの景品をゲットした。
荒井「難しければ難しいほど、やりたいなぁ!という気持ちが出る」
諏訪東京理科大学共通教育センター・篠原菊紀教授によると、クレーンゲームをやる時、脳の前頭葉で計画を立て、頭頂葉で空間を認識している。この2つの連動は加齢とともに衰えてしまいがち。クレーンゲームは頭の体操になるのだ。
荒井さんにも脳年齢チェックテストを受けてもらうと、40代相当と、こちらも実年齢よりかなり若かった。
お金をかけたくない人は、「ゴミ投げ」でも同じ効果が得られる。
丸めたティッシュや紙を、入るか入らないかギリギリまで遠ざけたゴミ箱めがけて投げる。目標物との距離をはかるのが脳への刺激となる。
愛知県のあるゲームセンターでは、平日の昼間、多い時で40人のシルバーゲーマーが集まり遊んでいる。
メダルゲームに興じる80歳女性「脳の病気をしていて、手首を動かすといいと言われ、リハビリのために来ている」
ここで知り合ったシルバーゲーマー同士で仲良くなり、お花見やカラオケなど、外での交流もするようになったそうだ。
東海大学医学部健康管理学・西崎泰弘教授「ゲームセンターが高齢者の憩いの場になっているのは、楽しく健康的に長生きするために非常に良い」
他人と楽しく関わることで、認知症やうつの予防、社会性の維持などが期待できる。