リオ五輪の陸上男子マラソンで、カンボジア代表として出場した猫ひろし選手(39)が2016年9月1日、都内で行われた「広島CAT STREET VIEW 竹原編」の記者発表会に登場した。
猫さんは五輪後初となる日本でのイベントに、「5か月間ぐらい走ってばっかりだったので、カメラが大砲に見える」と緊張気味だったが、囲み取材ではオリンピックの裏話で盛り上がった。
リオ五輪のレースを振り返る
五輪の記録は2時間45分55秒で、下位から2番目の139位。
「普通、オリンピック出たら『メダルおめでとうございます』なんですけど、僕だけ『完走おめでとうございます』なんですよ」
ともらした。2014年の仁川アジア大会で最下位になった経験から、それだけは回避したいと何回も後ろを振り向きながら走ったという。
完走はしたものの、タイムはよくなかったと振り返った猫さん。水ぶくれができるなど、練習だったら歩いてしまいそうなくらいきつかったが、
「カンボジアの仲間の選手とかも当然テレビで見ているから、情けない格好はできない。絶対歩かないようにだけはしようと思っていた」
と明かした。
4年後の東京オリンピックについて問われると、
「年齢が43になるんですね、猫だったら3回くらい死んでいます」
と笑いを誘った。そのうえで、
「チャンスがあれば50でも60でもやりたいと思います。カンボジアではまだ(国内ランキング)1位ですから、維持できるようにきちっと練習したい。もし選手で無理だったとしても、カンボジア選手のお手伝いをさせてもらえたら」
と抱負を語った。すでに練習を再開しているという。
「広島県路地裏観光副課長」に任命された猫さんは、「こういった仕事が来ると思ってなかったので、一生懸命走ってよかった」と五輪効果を実感。「『猫ひろし』ならぬ『猫ひろしま』として竹原のことを広めていきたいと思います」と述べた。