「子供の幽霊出現か!?」――夏の終わりも近づいた2016年9月1日朝、都営大江戸線の新御徒町駅(東京都台東区)で奇妙なトラブルがあった、との報告がネット上に相次いだ。
「線路内にお客様が立ち入ったとの情報があったが、点検の結果、お客様の姿は見えなかった」といった構内アナウンスにネットユーザーが反応し、「幽霊説」を拡散した。怪奇現象なのかと注目を集めたこの出来事、真相は何なのか。東京都交通局に聞いた。
30分間、全線運転を見合わせて確認
トラブルは、駅に人があふれる7時5分に発生した。新御徒町駅の一つ手前、蔵前駅方面からホームにさしかかった電車の運転士が線路内に男性の「人影」を発見。非常ブレーキをかけた。
「人影」は線路とホームの間にあり、電車と接触することはなかった。しかし、駅係員がいくら捜索しても「人影」の主は見つからない。
非常停止した電車も動かせず、大江戸線は7時13分から7時43分の間、光が丘駅から都庁前駅間の全線で運転を見合わせた。
東京都交通局の担当者によると、運転を再開した7時43分にも、まだ「人影」の主は見つかっていない状態だった。そのため、蔵前駅と新御徒町駅間を移動する電車は9時20分まで時速10キロの徐行運転を行っていたという。
「人影」の正体は何なのか。捜索の段階は監視カメラの映像チェックに移る。すると、ホームから線路内に立ち入る男性の姿、そしてその男性が線路からホームによじ登る瞬間が映されていた。
「電車に乗られるお客様とかぶってしまい、こちらから見えづらくなっていたんですね。その男性がホームに続く階段を上る姿も確認できました。年齢は見た限り、小中高生くらい...10代だと思います」(交通局担当者)
なお、交通局側はいまだこの男性と接触していないという。