新潟日報、「正当な記事への圧力」 新潟県知事の報道批判に1面反論記事

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   新潟県の泉田裕彦知事(53)が知事選撤退の理由として、新潟日報の「憶測記事や事実に反する報道」を挙げたことに対し、同社は1面で「正当な記事への圧力」などと反論した。

   泉田知事は4選をめざし、2016年10月16日投開票(9月26日告示)の知事選の準備を進めていたが、8月30日に知事選からの撤退を公表。理由として、新潟日報の「一方当事者の主張に沿った報道」の影響を挙げ、「十分に訴えを県民の皆様にお届けすることは難しい」としていた。

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知事「憶測記事や事実に反する報道」理由に「知事選撤退」を表明

   新潟日報は、一夜明けた8月31日付朝刊の1面で、「正当な記事への圧力」との見出しで、服部誠司・編集局長の見解を掲載した。

   見解記事では、泉田知事が知事選からの撤退理由として新潟日報の報道を挙げたことに対し、「報道機関に対する圧力にも等しく、許しがたい行為と言うほかはありません」と真っ向から批判した。

   また、知事が後援会サイトで公表した撤退コメントで「憶測記事や事実に反する報道」が続いたと指摘した、県が主導する日本海横断航路計画問題に関する一連の報道について、「綿密な取材と事実に基づくものです」と記事で主張した。

新潟日報「知事は真の理由を説明すべき」

   さらに、原子力防災のテーマについて、泉田知事が撤退コメントで「(新潟日報に)東京電力の広告は、今年5回掲載されていますが(略)」と触れ、「県民の生命・健康を守るうえで重要な論点の報道はありません」と主張したことに対しては、「これも全くの事実無根」「新潟日報社の原発報道は一貫して県民の安全を最優先に取り組んでいます」と強く反発を示した。

   泉田知事は、県内の東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な姿勢を示していたことで知られる。

   見解記事では最後に、知事選から泉田氏が撤退する「真の理由」を説明すべきだと訴えた。

   新潟日報の電子版(新潟日報モア)が30日夜に伝えた「泉田知事が4選出馬断念 異例の文書発表」記事では、撤退理由について、泉田氏が新潟日報報道を挙げたことに触れつつ、「しかし、泉田氏を全面支援してきた自民党内に4選反対論が広がるなど厳しい情勢にあり、出馬断念に追い込まれたのが実情とみられる」と分析している。

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