池波さんが生きていたらOKは出さない?
というのもアニメファンにとって鬼平キャラといえば、さいとう・たかをさん作画で現在も「コミック乱」(リイド社)で連載中の劇画「鬼平犯科帳」だ。大方の人が、アニメもそうなるとおもっていたところ、それとは似ても似つかない姿が目に飛び込んで来たからだ。そのキャラクター画像に驚いた人たちは、
「モンキーパンチみたいなヒョロさ」
「おいおい、なんで鬼平が散切り頭なんだよwこれじゃ素浪人か三下(チンピラ)じゃねぇか」
「まだ御家人斬九郎をアニメ化しました!って言われた方が納得できる風貌だなぁ」
「鬼平ってより御家人斬九郎」
「小太りだが切れ者っていうギャップあってこそのキャラなのに 、これじゃ鬼平でやる必要ないじゃん」
などといった声が掲示板からもれた。
さらに、テレビアニメ「おそ松さん」の大ヒットに味を占め、ボーイズラブ好きの「腐女子」を狙っているに違いない、と考えている人も多く、
「よっしゃーと思ったら、ナニこの男。ホモゲイ犯科帳」
などと、自分たちが知る「鬼平」とは違った物になるのではないかと心配している人もいる。
そもそも池波さんは自分の作品が映像化される際には原作に忠実であることにこだわった。東京新聞の1998年4月1 日版では中村吉右衛門さん主演の「鬼平犯科帳」が最終シリーズを迎えることを記事にしていて、池波さんはドラマ化の際に、
「鬼平の名前だけ使ってオリジナルでシナリオを作るような、さもしいことだけはしてくれるな」
と強く言っていたと書いている。ドラマシリーズが終了するのは、原作をほぼ使い切ったからで、こうしたことは「池波さんとの約束」だったのだという。
こうしたことから、もし池波さんが生きていたら今回のアニメ化は絶対に許さなかっただろうと主張する人もいる。
ともあれ、2017年公開を目指し、「鬼平」アニメの制作はスタートを切った。怖いもの見たさで期待する声が無いわけではないのも事実だ。